ショートケーキの苺にはさわらないで (ショコラ文庫)

著者 :
  • 心交社 (2015年2月10日発売)
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感想 : 42
3

冒頭の入りからは予想のできないまさかまさかの展開で、中盤から後半まであっという間に読んでしまいました。
前半は近未来の日本で戦闘用アンドロイドを使って戦争をしている説明があるのだけど、そこに関しては詳しい描写は全くなく、現実感がまるでないのだけど、それは主人公から見た世界だからなのかな。自分の住んでいる国の戦争に無関心すぎる人たちに違和感を覚えはするものの、この世界の多くの人間にとってソレは意識の外にあるものということなのかな。けれどある時、主人公は世界で一番大切に思っているシンを奪われることで、それが現実だということを思い知る。
中盤からは戦争が終わってしばらく経っていて、形は人型から変わってしまったけど、以前の記憶データの一部をもった球体のシンと暮らすようになる。この球体のシンがめちゃくちゃに可愛いんだ……!人型のシンももちろん良いのだけど、主人公と球体のシンが幸せそうに暮らしているシーンが一番グッときました。たとえどんな形であっても、南里の愛したシンはこの子なんだなと思って涙が……。そこから後半の展開は、本当にまさかまさかでした。ショートケーキの、苺には、さわらないんだよなぁ!!!
個人的にはシンが人型になって、年老いていく南里と一緒に暮らすラストも見たかったなと思っています。スピンオフの阿部ちんのお話もちゃっかり購入しているので、すぐにでも読み始める予定です。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: ブロマンス
感想投稿日 : 2021年7月28日
読了日 : 2021年7月28日
本棚登録日 : 2020年12月16日

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