どこの夫婦にも多少はありそうな不和が比較的若い時期に訪れた悲劇ではあるが、夫婦感の感情の起伏をとても繊細に丁寧に描いており、また表現がうつくしい。
嫁の父が中を取り持とうとしているが読みのほうが遠ざける原因が目かけのお久にあることとか、はっきりと描かれてはいないが根深い感情があると察しつつ考えさせられる。
淡路に三人で人形浄瑠璃観覧に行くところは本筋ではないけれど情景が浮かぶようでとても楽しい。夫のかなめの感情はルイズやお久を慕っていることが終盤に明かされいよいよ興味深い展開に。
最後に父娘二人ででかけ、嫁が泊まりを了承した意外な展開から、残された要とお久の風呂場や寝床での描写などの後に突如終わる展開が何故かとても印象深い。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
純文学
- 感想投稿日 : 2018年10月1日
- 読了日 : 2018年10月1日
- 本棚登録日 : 2018年9月30日
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