辺境・近境

著者 :
  • 新潮社 (1998年4月1日発売)
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本棚登録 : 465
感想 : 38
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イースト・ハンプトン、メキシコ、香川、ノモンハン、アメリカ、神戸の旅行記をまとめたもの。旅を通して、作品への想いなどが垣間見られる。特にノモンハンに関しては、ねじまき鳥クロニクルの凄惨な個所を思い出すとともに、国家のありかたについても考えさせる。「…やはり今でも多くの社会的局面において、わが名もなき消耗品として静かに平和的に抹殺されつつあるのではないかという漠然とした疑念から、僕はなかなか逃げ切ることができないでいる。」「この五十五年前の小さな戦争から、我々はそれほど遠ざかってはいないんじゃないか。僕らの抱えているある種のきつい密閉性はまたいつかその過剰な圧力を、どこかに向けて激しい勢いで噴き出すのではあるまいか。」

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 楽しみ
感想投稿日 : 2013年3月25日
読了日 : 2013年3月24日
本棚登録日 : 2013年3月24日

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