つい数日前に読んだ官能系とほぼ真逆の印象だったので、そういう意味でも非常に興味深く読めた。といっても、こちらは4編中3編が同性愛を描いたものであるわけだが。さらにその3編はいずれも大人の男が少々頭の軽い美少年に対し、庇護欲と執着にとりつかれてしまうという展開。ついでにこってりした嫉妬やら誰かの死やらも絡んでくるので、文体も相まって黒い粘り気に満ちた空気を醸し出している。一番よかったのは『枯葉の寝床』なのだが、ギドウ、ギランと色気を感じる名前が続いて、どうして最後が達吉……それだけが解せない(苦笑)。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
国内:その他
- 感想投稿日 : 2021年4月1日
- 読了日 : 2021年4月2日
- 本棚登録日 : 2021年3月31日
みんなの感想をみる