星やどりの声 (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA/角川書店 (2014年6月20日発売)
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本棚登録 : 3985
感想 : 306
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6人きょうだいが各章ごとに主人公となり、進んでいくお話。
語り3人称の理由は、巻末の解説にて!

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目次で、きょうだいが順不同に主人公となっていくことはわかるのですが、始めの章できょうだいそれぞれの紹介がされていくところは、少し情景がごちゃごちゃして、一人一人の姿がうまく描ききれませんでした。
文章が進んでも、しばらくきょうだいの年齢も性格もなかなか頭に入りませんでしたが、半分を越えたあたりでようやく、きょうだいの輪郭が描けてきました。

導入こそハードルが高かったものの、ひとつひとつのお話自体は丁寧で、それぞれのきょうだいが、性格や年齢、置かれている立場がちがうからこその悩みや望みが、1章ずつ書かれていました。

きょうだいの母親が隠していた秘密は、話を引っ張った割にはあまりインパクトがなく、良くも悪くも、どの人も“いい人”なため、お話がふわっとしていていたように思います。
また、仕方ないことなのかもしれませんが、父親のエピソードに比べると母親のエピソードが少なく、母親がどんな人なのかがつかみにくかったのが正直なところです。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 朝井リョウ
感想投稿日 : 2021年2月10日
読了日 : 2021年2月5日
本棚登録日 : 2021年2月3日

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