失われた時を求めて(3)――花咲く乙女たちのかげにI (岩波文庫)

  • 岩波書店 (2011年11月17日発売)
3.78
  • (8)
  • (14)
  • (13)
  • (0)
  • (1)
本棚登録 : 308
感想 : 15
3

本巻は主人公とスワンの娘ジルベルトとの恋話なので、割と読みやすかった。スワンと同様にこの少年も執着が強いタイプみたいで、好きな女の子の両親も住んでる家も好きになってしまう。ジルベルトの顔の中にスワンの面影や母親であるオデットの面影を見つけて楽しんだりしている。実の親と違いスワン夫妻もこの子を質のいい友達と認め大人のように扱ってくれる。

楽しかった日々もやがてジルベルトと仲違いしたことで終わりが訪れる。主人公自身にも大きな変化があるが、スワン夫人のほうも大きく変わる。それは一つの時代が終わった事を告げている。主人公が娘でなく母親のほうの客になってから垣間見たスワン夫人のサロンの様子が面白い。オデットもだけどコタール夫人が卒がなくしたたか。

プルーストは女を描くのが上手いなと思う。自身が女々しいところがあるからなのか?

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: フランスの小説
感想投稿日 : 2018年8月2日
読了日 : 2018年8月2日
本棚登録日 : 2018年8月2日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする