リング (角川ホラー文庫)

著者 :
  • KADOKAWA (1993年4月30日発売)
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本棚登録 : 3633
感想 : 388
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『リング』シリーズ、Audibleで初挑戦。

昼読むのと夜読むので、こんなに感じ方が変わる小説って初めてだ。
明るい時間に聴いていると、主人公・浅川のモラハラっぽさが気に障るし、文章のちょっとした違和感に気を取られてばかりで、「私、原作はちょっと合わないかも」と何度も思った。
でも、夜中に一人で聴いていると……怖い!!恐怖が背後にじわりじわりと忍び寄ってくる感覚。このまま聴いてると自分にも良くないことが起こりそうで怖くてたまらないのに、聴くのをやめられず夜更かししてしまった。

映画では登場人物の男女設定や人間関係がかなり変えられている。
●原作
・主人公の雑誌記者・浅川(♂)には妻と一人娘の陽子(1歳半)がいる。
・浅川と高山は学生時代からの友人。
・浅川は自分と妻子にかけられた呪いを解くため、高山は好奇心のため、協力して呪いを解明していく。
・貞子の呪いが生まれた理屈や経緯が重視されており、ホラーでありミステリー小説でもある。
●映画
・主人公・浅川(♀)と高山は元夫婦。2人の間には一人息子の陽一(小学生)がいる。
・高山と陽一には不思議な力がある。
・自分たち同様に呪いのビデオを見てしまった陽一を助けるため、浅川と高山の元夫婦が呪いの謎に立ち向かう。
・登場人物たちはあまり多くを語らず、映像で謎・不安・恐怖を見せていく。
私は原作の浅川も高山も全く好きになれないが、映画ではそんな2人の人間くささ、特に高山という人間の面白さがすっかり影を潜めている。その分、ファンタジー感や家族の情念が強まった作品になり、原作ファンの方からするとそこが物足りないのかもしれない。

原作は映画と全然違う話だよ!原作の方が断然面白いよ!と友達から熱心に勧められたので期待しすぎていたかも。私は映画『リング』の方が好きでした。今後シリーズを読み進めるかはちょっと迷い中。

※Audible利用(9h43m)

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: Audible
感想投稿日 : 2023年4月8日
読了日 : 2023年4月6日
本棚登録日 : 2023年4月6日

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