高校のとき、生物の教師が「日本のサル学は世界でも最先端です。それは個体識別が出来たからです。」と云ってた。「高崎山のサル」は夏休みの課題で読んでいる。
立花隆の「サル学の現在」も若い頃に読了。
そんな事前知識のもと本書を選択。
若い学生を読者に選定しているんだろう。ゴリラの話だけでなく、フィールドワークに入るアフリカや屋久島どの人との交わりの話も多い。信頼の意味とか、味方を作ることは敵を作ることだとかの一文がジンと感じる。アフリカの著者の家にただ座っている人々。彼らは何でもいいから著者を手伝いたいと思っている、と云う。少し前の日本でもこうだったとのこと。
ゴリラはコミュニケーションをとるときに目をまっすぐ見てくる、という話は面白かった。サルやチンパンジーだったら威嚇のサインなのだが、ゴリラは至近距離で見つめ合う。ここから人間の対面、共食についての考察は興味深い。
さて、コロナ渦で在宅勤務が増え、コミュニケーションも希薄になっていくし、引きこもりやネットの中で過激な意見が乱れ飛ぶ現状。どうすりゃいいんだろう。
山極さんや恩師の伊谷純一郎さんの著作を探してみようかな。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2020年11月29日
- 読了日 : 2020年11月29日
- 本棚登録日 : 2020年11月29日
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