前作「Χの悲劇」からGシリーズ後期になっていた。迂闊なことに、え、そうなの、と驚いたりしている。いつもの登場人物達は、全くいない。前作に引き続き、島田文子が出てくるが、あのときは、結構な年齢だったはず。前作より時間が遡るのかと、ちょっと考えてしまった。
まあ、そういう馬鹿な誤解は解消されるんだけど、うん、そういう設定かと、驚きつつ、森先生に気持ち良く振り回されて、大満足。
前半は事件は起こるんだけど、淡々としてうっすらヒンヤリの印象。中間部のアクション部分は島田と鈴木の会話のリズムも相俟って、グッと盛り上がる。
終盤は、主人公の思索が中心で、老境の印象と受け止めたのだが、彼はそれを否定する。しかし、彼が孤独を覚えたり、事件の意味を考え、疑心暗鬼になることに不思議にも感じ、また何故か自然なことのようにも思った。
最後の幕の引き方には、唖然。え、ええ、それはどうなの。
だいぶ、Wシリーズに近づいた感があるけれど、ここまでくれば、現実に生きなくてもいいじゃない、とも思うんだな。それでも電脳空間じゃプロペラの玩具は無いと思うべきなのかな。
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- 感想投稿日 : 2018年6月2日
- 読了日 : 2018年6月2日
- 本棚登録日 : 2018年6月2日
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