ふらり。 (KCデラックス モーニング)

著者 :
  • 講談社 (2011年4月22日発売)
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本棚登録 : 274
感想 : 42
4

谷口ジロー氏を知ったのは関川夏生原作の坊っちゃんの時代だった。明治の町並みや作家達が魅力的に描かれていた。あれから二十数年。もう、この漫画家の技量はタダごとじゃない。
水槽の中の魚を覗くと水があることが判るように、コマの中に空気が見えるよう。背景のない登場人物のみのコマでもそう感じる。では、背景があったら。それはもう、風が動く感触や香りまで立ちのぼる。

伊能忠敬の出発前の日々。江戸を毎日てくてくと歩く。出掛けた先で蕎麦やハマグリを食したり。時に亀や蜻蛉や鳥の目になり、江戸を眺める。
週刊モーニングに掲載時に読んでいるが、こうしてまとめて読んで、改めてその素晴らしさに感嘆した。
急ぐ必要はないのだから、ゆっくり何度も読みなおそうと思う。

追記。
深川の八幡富士や三十三元堂は今は無くなっているんですね。
ちょと溜息。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2012年2月22日
読了日 : 2012年2月22日
本棚登録日 : 2012年2月22日

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