親鸞や法然についての本は多いと思う。悪人正機説なんてツッコミドコロ満載だし。鎌倉仏教の影響については、日蓮に関する言及は多かった。あの絵巻がらみで一遍上人の念仏宗について読んだこともある。だけど、道元については何か読んだことが無い。禅は釈迦の教えに一番近いという。和辻哲郎の風土は学生時分に読んだ。そんな訳で手に取る。

仏性をアートマンとする解釈を排したとあり、自分の勘違いを知る。悉有は絶対的な有。それは無の別名と言われたら、判ったような、判らないような。更に空なんて言われたら、もう無理。

少数の弟子と山の籠り、仏祖に従う。純粋な宗教のありかた。壮麗な宗教施設や宗教美術を否定する。本来の宗教はそういうものと思いつつ、原理主義という言葉も頭に掠める。禅宗という云われ方は否定していたという。意外に思ったが、仏祖のありかたのみ、ということ。ロゴスを重んじたというが、禅宗の考案って判らない。もう少し教えてほしかったかな。どれだけ、理解できたか心許ない。座禅とロゴスで本当にどこまで至れるんだろう。俗にまみれ過ぎたオジサンは、どうも懐疑的になってしまう。

2011年6月13日

読書状況 読み終わった [2011年6月13日]
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