意味という病 (講談社文芸文庫)

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  • 講談社 (1989年10月4日発売)
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〇以下引用

それでも意味は?
意味・・ほら雪がつてゐます。どんな意味があります?


一切の「意味」を拒絶した男、どんな形であれ自己を意味づけることをやめた男がここにいる。

彼等は偶然で無意味な「白痴のたわ言」の世界、「生命の川」のかれはてたグロテスクな世界を見出す。そして、そこから脱出しようとして行為に踏み切り、自分を必然化(運命化)しようとする。


ヴァレリーは、近代生活はわれわれが肉体的努力をせずにすむようにするとともに。知的努力もせずにすむようにする傾向をもっていると書いている。--自然が失われただけではなく、「知性」もまた失われている


美しくみせるための一行があってもならぬ、美は特に意識して成された所からは生まれてこない。どうしても書かねばならぬこと、書く必要のあること、ただそのやむべからざる必要にのみ応じて、書きつくさねばならぬ。一も、二も百も、終始ただ「必要」のみ。(安吾)

やむべからざる実質がもとの所の独自の形態が、美を生むのだ(安吾)

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感想投稿日 : 2016年5月9日
本棚登録日 : 2016年5月9日

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