頼れない国でどう生きようか (PHP新書)

  • PHP研究所 (2012年10月16日発売)
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感想 : 43
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社会学者の古市憲寿と日・中・英の3か国語でコラムを執筆している加藤嘉一の対談本であり、加藤が日本の現状について質問し、古市が答える形が主となっています。

1章では語学について、必要性から習得するものであり、実際に使用することで身につくと、ごくごく一般的な内容。2章では情報収集について、加藤は1冊の本を時間をかけて読み、古市は必要な情報だけを読み無駄に時間をかけない。新聞については、加藤は何紙も読むのに対し、古市の認識ではゴミ。3章では執筆について、加藤は集中して一気に書ききり推敲をしないのに対し、古市は他のことをしながら同時並行で進め、集中せずマイペースで行う。4章では自己管理について、加藤は計画的に集中・無心状態をメリハリをつけて行っている。また予定は手書きで行うアナログ派。古市はその時に会う人に合わせて行動し決まった作法はない。予定はグーグルで管理するデジタル派。5章では人間関係について、両社とも人間関係は利害が必要だと考えており、勘定からの友人はいないとのスタンスをとる。また加藤は30~60代からは知的な刺激ないので用はないとしている。6章では日本と中国について(本来ならこの部分をより掘り下げるべきだが)、加藤は日本の存在感が乏しく首相が何度も交代し、首相には権威がないと感じている。古市は冷戦時代が終わり今はもう政治の時代が終わっているので問題ないとする。7章では若者論について、中国で若者論が存在しないのは大きな格差があるからで、日本では格差が小さく年功序列もあって世代による格差でないと階層を分けることができなからだとしている。8章では各人の今後について、加藤は日本人を正しく理解してもらうために活動しており常に社会を考えながら発信し続ける言論人、古市は自己の問題として考えられる範囲で愛着もっているから発信を続けており周りに流されず読者を一緒になれる存在を目指す、という。

対談なので読みやすいです。ただ内容に目新しさはなく、互いの経験を話し合っており、加藤・古市のどちらかに興味がある人には面白いと思います。対人での振る舞い方は参考になるかもしれません。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2013年3月2日
読了日 : 2013年3月1日
本棚登録日 : 2013年3月1日

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