忘れられた日本人 (岩波文庫 青 164-1)

著者 :
  • 岩波書店 (1984年5月16日発売)
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辺境の地で黙々と生きる日本人の知恵。
村では、寄合制度が形成され、そこでは表面的には村の取り決めや自治が行われていたが、本質的には村の人々との知識の共有がメインだった。
今から120.130年前は、読み書きができない人の方が多く、読み書きができるひとの役割が非常に大きかった。そのような人々は、正確に村で起きていることを記録し、伝承し、のちの世代を発展させることを目的としていた。今の時代で考えてみると、文字は溢れんばかりに存在していて、その存在意義を考える暇もない。のちの時代へと伝えていくという文字の一面を考えてみると、もう少し責任を持たないといけないかもしれない。
今、日本にある村は絶滅しつつあるが、昔はそのコミュニティで人々が生活を営み、生きた知識を繋いで行ったという事実をこれからの時代にも伝えていかなければならない。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2021年4月18日
読了日 : 2021年4月18日
本棚登録日 : 2021年4月8日

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