猫にかまけて (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社 (2010年4月15日発売)
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本棚登録 : 1273
感想 : 115
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自称パンク作家の飼い猫は主と普通に会話するらしい。はは、あほちゃうか。おもろ。と普通は嗤ってしまうところだが、あの妖怪めいた著者の存在感を思えばさもありなんとしばし黙考。相変わらず文章は抜群のグルーヴ感で思弁に思弁が転がり続ける面白さに溢れてるのだが、猫への愛情と喪失に直面した時、普段は見せない愚直さが顔を出している。対象へまっすぐと届けようとする、恥も外聞もない剥き出しの優しさ。それは主従関係ではなく1体の生物として猫と向き合っている姿勢から生まれてくる。やはりいつだって町田康は最高なのである。ずるい。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 日本文学
感想投稿日 : 2015年6月18日
読了日 : 2015年6月18日
本棚登録日 : 2015年6月18日

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