文系・理系という区別が本当に嫌いだ。あれは自分が理解できないものを安易な定義で対象化し、無知の壁に縮こまる傲慢な行為でしかない。何より、本当の知の営みとはその両方の要素が混じりあった場所にこそ存在するのだから。サイモン・シンの著作を読んでいると、そんな事を考えずにはいられない。人間の宇宙観の変化について歴史上の科学者達がいかに更新していったのかを時に人物像を深めつつ、時にそれを実証するための観測の重要性を説きながら、平易に興味深く描き出す。そう、ここでは科学的でありかつ人間的である事が見事に両立している。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
評論/研究
- 感想投稿日 : 2013年10月20日
- 読了日 : 2013年10月20日
- 本棚登録日 : 2013年10月20日
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