これは面白い。思考は言語に規定されるという一般意味論は科学的根拠がないのだと一刀し、言語能力(特に文法)というのは人間が直立歩行するのと同じように、本能的に形成されたものだという主張をダーウィンの進化論やチョムスキーの生成文法と関連付けて展開する。英文法の構造の解説は流石に飛ばし飛ばしになりつつも、クレオール言語の形成や心的言語の解説箇所は本当に刺激的だし、「文法は、耳と口と脳を結びつける仲介者」なんて比喩もセンスが効いている。ちなみに、『虐殺器官』の中核をなす言語論の内容は、本書からほぼそのままの引用。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
評論/研究
- 感想投稿日 : 2012年9月24日
- 読了日 : 2012年9月24日
- 本棚登録日 : 2012年9月24日
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