ウォーホルの芸術 20世紀を映した鏡 (光文社新書 458)

著者 :
  • 光文社 (2010年4月16日発売)
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ポップであることの本質は誰にでもアクセスできることではない、誰からも切り離され、ただ時代のみと繋がっている事だ。大量生産によるイメージの喚起というウォーホルのコンセプトは資本主義と社会主義、20世紀における2つの思想の交差点であり、同時にシルクスクリーンを効果的に用いたアナログな手法は今となっては図らずしも前世紀的な意匠を感じさせてしまう。彼の作品は芸術でありながら自己表現とは無縁であったが、彼の人間性にまで踏み込んだ本書を読んだ後には、逆説的にそれこそが自らの人間性を守る手段であったのかもと思えてくる。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 新書
感想投稿日 : 2014年2月27日
読了日 : 2014年2月27日
本棚登録日 : 2014年2月27日

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