小説について語られる言葉が語り尽くされた本書について、これ以上何を語ればいいのだろうか。「小説のいくつかの書き出しだけで構成されたひとつの小説(これすら本文中の引用だ)」である本作は、多数の小説の断片とそれを結ぶ一つの物語から成り立っている実験的な作品であり、物語の断片はどれも世界文学の模倣の様だ。そして幾度も語られる、本について語られる言葉は「こんな風に本を語ってみたい」という言葉を全て先取りされてしまった気分にさせられる。それでも本を読むこと、それを語る事は決して止められるものじゃない。続けよう。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
海外文学
- 感想投稿日 : 2013年5月13日
- 読了日 : 2013年5月13日
- 本棚登録日 : 2013年5月13日
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