東の海神(わだつみ) 西の滄海 十二国記 3 (新潮文庫)

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  • 新潮社 (2012年12月24日発売)
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雁国に尚隆が王に就いた20年後の話。
元州斡由の謀反内乱、を経て国、臣下や六太(雁国麒麟)の成長が描かれていた。

最初や最後の少しラノベっぽいイチャコラ感が苦手だったけれど、物語は急転直下の大騒動。
女性の役割もとても尊いです。兵役志願する若い母親、驪媚や元州の女官… 胸をうたれた。
国を司る者たちにとっては寿命がないので、
時はほぼ永遠だけれど、民には違うから焦る。
六太だって直感で王を選んだ13の時の見た目のまま、33年生きても人のなり、理なぞ未だ詠みきれない。
後世に500年続く王とはどんなものか
全編とてもドキドキして楽しめました。

斡由の厚顔さったら… こういう人いますよね実際。

設定も細かく、どんどんハマって行くけれど、壮大すぎる。どんどん広がる風呂敷ちゃんとたたまるのだろうか?
小野先生の世界へもう足を踏み入れてしまったのであとは楽しむだけ。
続きが気になります。

■尚隆の着眼大局な采配。
朱衡:秋官(法整備、裁判、外交)の朝士。
   位は下大夫。
帷湍:地官 (土地、戸籍の管理)の遂人(山野、治水の管理)。
   位は中大夫。
成笙:夏官 (軍事、警備。警邏・土木事業。
   地誌の編纂。)の大僕(平時、内宮での王の身辺警護。小臣の指揮。)
   位は下大夫。
驪媚:元州牧伯。
   元は秋官の司刑(裁判を司り、刑の最終的な決を下す)官。位は下大夫だったが、
   王の勅命により州にあって州侯を監視・監督する牧伯になった。位は卿伯。

■雁国元州の重要人物
斡由:元州侯元魁の息子。実権を握る。
院白沢:元・元州州宰で、斡由の部下。
更夜:元州夏官射士(貴人の私的な護衛官の長)

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2023年3月10日
読了日 : 2023年3月10日
本棚登録日 : 2023年3月5日

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