嫌韓中本に関わる6本の原稿をまとめた本
出版社、編集者、執筆者といった出版に直接かかわった人々について調べた内容が中心。
内容としては、嫌韓中本が商業出版された経緯、デマゴギーへの非難、といったところ。
彼らが憎むヘイト本と同じように、敵が悪で愚かであるかについて語ることに熱中するスタンスにはちょっとうんざりさせられた。
左、右、どちらの側に立っている人間も、殴りやすい悪を求めているだけなんじゃないかと、うすら寒くなる。
ヘイト豚でも蹴とばせ、とか、ネットの書き手は相手をナメてる、といった言葉の選び方は支持できない。
後は、ろくでもない本の出版に関わる人をリサーチして問題点を叩くというのは非難しやすいが、出版が成立する理由は、送り手ではなく受け手にあると思う。
なぜ、愚にもつかない関東大震災で朝鮮人が日本人を組織的に襲撃したなんていう嘘が出版されて一部の人に受け入れられているかというと、それを読んで、真面目に信じる人が居るから。出版は読み手が相当数いなければできないが、書き手は電波系の人間が1人居ればどうにでもなる。
しかしながら、この本では受け手の存在は積極的に隠ぺいされ、編集者の「最近は嫌韓本を読む人が少なくなった」
という意見が積極的に引用される。これでは、嫌韓本をめぐる構図はなかなか掴めないのではないかと思う。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2018年2月12日
- 読了日 : 2018年2月12日
- 本棚登録日 : 2018年2月12日
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