いじわるな天使

著者 :
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  • Amazon.co.jp ・本 (148ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784757211827

作品紹介・あらすじ

幻のファンタジー童話集、全15話。

感想・レビュー・書評

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  • 穂村さんの童話集。フォロワーさんが何人か読んでらして面白そうなので図書館で借りてみました。
    穂村さんはエッセイしか読んだことなかったので、こんな文章書くのか~!と驚き。エッセイの印象とはかなり違った。不思議でシュールな話の数々。ここではない、どこか違う世界に入り込んだ気分。あっという間に読めるが、読んでいる数分間穂村ワールドにトリップできます。

  • ほむらワールドがつまった童話集。
    眠れない夜にやってきたいじわるな天使が話していった15のお話が収められています。

    どこに行きつくかわからない物語にくらくら魅せられます。
    ブラックでいじわるでひねくれているのに、そこにほんの一匙入っている切なさのスパイスがたまりません。
    そのほんのりとした甘やかさ、もう中毒になってしまうのです。

    「ユニコーン・イン・シュガーキューブ」「僕の夏休み」「ゼンマイ仕掛けの飼育係」が特に好みでした。

  • 穂村弘の世界が小説になるとこうなるのか…!

  • 「鳥肌が」があまりによく、気づけばたくさん、この方の著書を”読みたい本リスト”に入れていた。

    これは、気持ち悪いような、癖になりそうな、よくわかんない本だった。

    たまにすごくきれいなものを見せられたような気になって、ますますわからない。

    読み手のほうに、こんなに「余地」をくれる書き手って、いるかな?

    こういう短編で、こういう話だと、もっと書き加えたくなるのが人情ってものじゃないか。だって自分のつくった話じゃないか。読み手のいいようにされちゃいすぎやしないか?

    と思うのだけど。

    (そしてそれは勇気のいることではないかな。。。)

    なので短い文章だけど、読むのには時間がかかる。

    さて、次はどれにしよう…。

  • 独特な世界観の、ちょっぴりブラックな童話集。
    穂村さんのエッセイが好きなので試しに読んでみたけれど、ブラック加減が私には合わなかったし、話自体もよくわからなかった…。残念。

    <収録作品>
    宇宙船で女の子をいじめる方法/逆サンタクロース/ミスターカシスの道化師捜し/超強力磁石/クロスワードの罠/ブラザー・タルトン/眠りにつく図書館/セイレーンの呼び声/潜水艦長の秘密/早打ちキッド/ユニコーン・イン・シュガーキューブ/ダンデライオンの剣/僕の夏休み/微睡むポパイ/ゼンマイ仕掛けの飼育係

  • 童話集。

  • 童話で期待外れでした。

  • 『いじわるな天使が、眠れない夜にやってきました。くりくりの巻毛と無邪気な笑顔で、頼みもしないのに不思議な話をして、あくびをひとつすると帰っていきました。』
    という不思議な詩で始まるシュールで意地悪な物語。
    4月のお天気の朝、ポニーテールが自慢の女の子と一緒に宇宙港へ見学に行き、無重力状態の宇宙船のなかでやらかすいたずらは……。

    最初の一編「宇宙船で女の子をいじめる方法」がシュールでダークででも楽し気なので 他の話も同じような悪ふざけテイストなのかと思ったら、 他の話はそうでもなく、むしろリリカルできらきらした砂糖菓子のような、時々センチメンタリズムさえ醸し出してる小品ばかり。

    中でも『ユニコーン・イン・シュガーキューブ』が絶品。

    角砂糖の中には小さな真っ白い一角獣がいる。
    といってもそれはカップの上空でつまんだ角砂糖を放した瞬間にその中に現れ、角砂糖がオレンジ色のアールグレーの表面に触れた瞬間、世界の裏側の、今まさに落ちてゆく角砂糖の中にワープする。
    そしてまた落ちてゆき、その角砂糖が褐色のトアルコトラジャの表面に触れた瞬間、再び跳ぶ。
    別の町の別のカップに落とされた別の角砂糖の中へ。
    宙にある一瞬の角砂糖の中だけが、一角獣の世界の全て。

    …という内容の、刹那を永遠に繰り返す幻想の一角獣を詠う、小品や短編というよりは最早詩のような作品。
    最後がまたちょっと切ないのですが、それもまた陶器が触れ合った後のキンとした音の名残のような余韻が。

    文章は全体的にヤングアダルト系ですが、ちょっと切なくほろ苦い〈おとなの童話〉。

  • ブラックすぎて笑えない。

  • ショートショート。ブラックファンタジー。水丸さんの絵もいい。

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著者プロフィール

穂村 弘(ほむら・ひろし):1962年北海道生まれ。歌人。1990年に歌集『シンジケート』でデビュー。短歌にとどまることなく、エッセイや評論、絵本、翻訳など広く活躍中。著書に『手紙魔まみ、夏の引越し(ウサギ連れ)』、『ラインマーカーズ』、『世界音痴』『もうおうちへかえりましょう』『絶叫委員会』『にょっ記』『野良猫を尊敬した日』『短歌のガチャポン』など多数。2008年、短歌評論集『短歌の友人』で伊藤整文学賞、2017年、エッセイ集『鳥肌が』で講談社エッセイ賞、2018年、歌集『水中翼船炎上中』で若山牧水賞を受賞。

「2023年 『彗星交叉点』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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