異文化理解の落とし穴――中国・日本・アメリカ

著者 :
  • 岩波書店
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感想 : 3
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  • Amazon.co.jp ・本 (242ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784000221894

作品紹介・あらすじ

文化の境界を越えて異質な世界に入り込むとき、人はしばしば意外なことに出会い、新しい発見をする。日常の暮らしぶり、その流儀や方法、常識あるいは良識はどう違うのか。違いは異文化間にいかなる齟齬を生みだすのか。本書は、異文化の海で生きてきた著者自身の航海日誌であり、「異文化を知る」実践。日本と中国、アメリカとのあいだに横たわる相違を拾い上げながら、さまざまな問いかけに対して応答する。違いを認識することで誤解が克服され、相互理解が深まることを、たくさんの面白い事例を紹介しつつ、平易かつ巧みに語った比較文化論の好著。

感想・レビュー・書評

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  • 日本の山形にも住んだ中国人学者の中国と日本の比較は非常に深いのですがタイトルにあるようにそれを類型的に日中の文化の違いとして論じることは間違っているのでしょう。しかし、喪を表す色が白(中国)と黒の違いということなど、基本を理解しておくことは非常に重要だと痛感します。著者が語りたい本質ではないでしょうが、同じ漢字を使いながら日中の言葉の違いは「落とし穴」(著者はこれとは別義で使っていますが)です。「陰、局部有毛毛雨」が中国語では「曇り、局地的には霧雨が降るでしょう」という紹介は実に笑えます。日本から中国に輸入された言葉、「人気」「融資」「低迷」などを中国人がそれとは知らず使うようになっているとは、やはりグローバル化で当然とはいえ、嬉しいことです。「美の魅惑と異文化交差」「米国という測量点」の最後の2つの章は、欧・日・中の美人観の違い、また米国社会の日本で考える常識との違いなど、別本と言ってもよい興味深いものでした。

  • 2011年12月に実施した学生選書企画で学生の皆さんによって選ばれ購入した本です。展示期間終了後の配架場所は、開架図書(3階) 請求記号:361.5//C52 

    【選書理由・お勧めコメント】
    日本っていいなと思うのは海外出てから気付くことが多い。そうなる前にこれを見ると少しは偏見がなくなるかも?ブランド好きな日本人から見た外人と外人から見た外人は違うってことも知ってほしい。(マネジメント総合学科/3年)

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著者プロフィール

1953年生まれ。華東師範大学卒業。1988年東京大学大学院総合文化研究科修士課程修了、1991年同大学院博士課程修了。博士(学術)。東北芸術工科大学助教授、国学院大学助教授、明治大学法学部教授を経て2008年より現職。著書に『恋の中国文明史』(筑摩書房〈ちくまライブラリー〉、1992年/ちくま学芸文庫、1997年、読売文学賞)、『近代中国と「恋愛」の発見―西洋の衝撃と日中文学交流』(岩波書店、1995年、サントリー学芸賞)、『美女とは何か――日中美人の文化史』(晶文社、2001/角川ソフィア文庫、2007年)、『夢想と身体の人間博物誌――綺想と現実の東洋』(青土社、2014年)、『時代の憂鬱 魂の幸福――文化批評というまなざし』(明石書店、2015年)ほか多数。

「2024年 『与謝野晶子の戦争と平和』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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