インドの科学者 頭脳大国への道 (岩波科学ライブラリー) (岩波科学ライブラリー 163)
- 岩波書店 (2009年10月10日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (120ページ)
- / ISBN・EAN: 9784000295635
感想・レビュー・書評
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インドは長年イギリスに搾取されてきた。その歴史の中から科学者を輩出するのは大変なことだった。
しかしそれを成し遂げ、アジアで初めてのノーベル賞受賞者を出した。
それは実は歴史的に科学的思考をする社会的環境があったことも関係している。
カースト制度も考慮すべき。※隷属階級からは科学者は出にくいという社会。
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「頭脳大国への道」という副題がついている。国土が広く多様性に富む国で、どのような人々が育まれてきたのか。英国植民地時代を経て、近現代の世界を築く礎を作ってきた科学者たちの人となりがわかりやすく解説されている。
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遠くて遠い国、インド。カレーと、最近のレイプ事件くらいしか知らない。興味はずっと持っていたが、どこから手を付けていいかわからない。で、本書を見かけたので手にとってみた。
著名なインド人科学者10数名の来歴をさらっとまとめたもの。一人ひとりは短くて印象には残らないが、ほとんどの人が留学を経て頭角を表している。かつて植民地だったインドの宿命かとも思うし、日本も植民地でこそなかったが、西欧科学を取り入れて発展してきたところはあまり変わらない、とも思う。独立し、自分でいろいろやり始めたあとが勝負だな。
13億人も人がいるということは、並外れた天才もいるんだろうな。 -
「インド人は掛け算などの計算が得意だから世界に冠たるIT大国になったというのは完全に誤りで、照明問題などに要求される筋道を立てる力こそがインドのITの発展に深く関わっている」(芳沢光雄)
「書物の中の知識は他人のポケットにあるお金と同じだ。必要なときに用立てることが出来ない」(サンスクリット)
そしてネルーのイニシアティブのもとIITが創設される
「日本では向上の建設が進み、近代的な陸海軍が創設された。多くの留学生が欧米に派遣された。彼らはインド人のように弁護士になるためにいったのではなく、科学者や技術者になるために留学したのだ」(ネルー)
インド理科大学がバンガロールにできたのが1911年で、金だしたのがタタ財閥の創設者とか。。。 -
ネルーは明治維新後の日本の近代化をインドと比してこう書いている。
「日本では、工場の建設が進み、近代的な陸軍と海軍が創設された。彼らは欧米に人材を派遣した。彼らは弁護士になるために留学したのではなく科学者や技術者になるために留学したのだ」
ネルーがIITの設立に邁進したのがよくわかる。
戦後、インド人はイギリスではなくアメリカに留学するようになった。