菌世界紀行――誰も知らないきのこを追って (岩波科学ライブラリー)
- 岩波書店 (2015年12月5日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (144ページ)
- / ISBN・EAN: 9784000296458
感想・レビュー・書評
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図書館で借りて随分前に読み終わっていたのだけれど、感想を書くのを忘れていた。
図書館完全休館で本が借りられず電子図書館の登録もできず、あれこれ探しているうちに「ジュンク堂書店ネットストアHON」のポッドキャストに辿りついた。聞き流しているうちに、著者の回のアーカイブを耳にすることになった。
聴いていて、途端に読んだ本の記憶がよみがえった。本だけでなく生の話も面白いなぁと思って、ほくそ笑んだ次第。
以前の勤務先で出会った人々もそうだけれど、研究する本人はすごく真面目で、研究対象に対する熱量がものすごすぎて、一般人には理解できない部分が多々ある。しかしながらこの著者は、自分の研究対象について他人に知ってもらいたいという書き方ではなくて、行った先がたまたま過酷な研究環境だったけれど、それが結構面白くて・・・と敢えて挑戦した風もなく飄々と語っている。そういう人となりが文章になった時に伝わっているから読み物として成立しているんだと思う。(論文は読んだことないので知りませんが・・・笑)詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
文章はたいへん読みやすいし面白いので、日頃科学の本を読まない人にも薦めやすい。
が、難しい科学のトピックを分かりやすく解説してくれる本を期待すると拍子抜け。
著者が専門とする雪腐病菌の説明が分かりにくいわけではないけれど、これに関してはもう少し写真を増やしたり、手描きでない図を入れたりした方が良かった。
そうすれば、科学の読み物としても価値が上がったろうに。 -
雪の下で育つ菌類(雪腐病菌)を追い求めてロシアだの南極だの寒い地域に旅する菌学者の冒険活劇。
個人的な読書ポイントは、南極条約でペンギンに近づける距離が決められている(5mまで)と知ったこと。
著者の意向通り、青帯で文庫化されるとは間違いないであろう(されますよね、岩波書店さん、ねえ!)。しかし映画化されるかどうかは謎。
2020/9追記:青帯ではないけど岩波現代文庫になった!びっくり!
https://booklog.jp/item/1/4006033222 -
雪腐病菌というマイナーな菌(きのこ)の研究者である著者の星野保氏が、その雪腐病菌を探して、ロシアや北極、果ては南極まで珍道中を繰り広げるという冒険記。こんな菌に情熱を傾ける人たちがいるということ、またそれを許す日本社会に感心した。
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バッタの前野先生や鳥の川上先生と同じく愛にあふれた記録
自分の読書傾向として砕けたテンポのよい本を選んでるかも
専門分野の記述になると??なこともあるけど楽しく読了
挿絵もあるしこの本も児童書として出したらいいのに
新書だと読者が限定されちゃうよね
シベリアや南極で出会った人や動物たちのエピソード
学者さん達の調査はスゴイ(^^;;
枯れたコケの細菌たちの個性←もやしもん的な笑 -
菌は語る。を読んでから読みました。
やっぱりこの人の話は面白いです。確かに「科学ライブラリー」というシリーズ名からは外れているかもしれませんが、こういった誰も語れない話を相当の熱量で持ってこられるともう釘付けです。夢中です。降参です。
研究のために世界を股にかける無謀な研究者のお話、おすすめです。 -
「雪腐病菌(ゆきぐされびょうきん)」の研究者の話です。面白い。
そもそも「雪腐病菌」ってなんですか?(^_^;)???
これまであまり聞いたことのない、この「雪腐」を追いかけて世界中(北欧、北極、シベリア、南極、、)を旅する旅行記のような内容です。学術的なことはちょっとだけ。
しかしこの旅の激しいこと激しいこと。まぁ、シベリアや南極に行くんだから普通じゃありませんが、それにしても面白い。特にシベリア(ロシア)編はオソロシイです。(^_^;) -
星野保
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面白いかつまらないかと言われれば面白かったのだけど、釈然としない。
当然きのこの面白い話が読めると期待したのだが、面白かったのはきのこをとりに妙なところ、シベリアとか南極とかイランとかに突撃していく珍道中であって、それに加えて土屋賢二のニセモノみたいな妙な文章が面白い。
肝心のきのこはあんまり出てこないし、面白くなる前に終わってしまう。雪の下で育つという妙な菌類なのに。岩波「科学」ライブラリーなのに。 -
真面目な菌類研究ではなく,探検記のような感じで,とてもユーモラス.写真やスケッチなど挿入されていて,わかりやすかった.自画自賛なのが面白い.