- Amazon.co.jp ・本 (354ページ)
- / ISBN・EAN: 9784003115817
感想・レビュー・書評
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文豪関係の逸話探してる人や、明治舞台の創作しようと思ってる人に参考になりそうなネタ本でした。
『早稲田文学』から抜粋した明治文学回想集なので、そういう参加者&視線で書かれてる前提だなぁと思いつつ、関東大震災で明治文化の遺産がだいぶ燃えちゃったから、記憶のあるうちにこういうのを書き残しておこう、という運動が起こってくれたのは有り難いことです。大事。
以下面白かったところメモ
・新旧過渡期の回想(坪内逍遙)
→草双紙の時代からノベルへ至るまでのお話し
・明治初期の新聞小説(野崎左文)
→当時の新聞業界のお給金事情からファッション、新聞小説の挿絵(〆切りとの戦い!)とかネタ満載。
・明治十年前後(淡島寒月)
→西鶴の古書のお話しから、露伴・紅葉(硯友社)辺りとの交友
・西洋小説の読始めと「書生気質」の材料(高田早苗)
→坪内逍遙の若い頃のエピソードとか。
・明治文学初期の追憶(市島春城)
→逍遙と紅葉のエピソード満載!!
・春廼屋主人の周囲(矢崎嵯峨の屋)
→二葉亭の友人で逍遙の書生だった人が書いてる。黙阿弥エピソードも。
・明治二十年前後の二文星(幸田露伴)
→坪内逍遙登場の頃の文学界の雰囲気について、露伴からの視点が書かれてて、なるほどな、と。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
わたしは、この明治文学集読み、頑張っていこうと思い、この本を選びました。文学についてわかりやすく、良かったです。
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緑158-1 形見
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文学・文壇に限らず、新聞界や劇場などについての談話・回顧録も入ってます。数々の回想は『早稲田文学』特集号からの抜粋。上巻では坪内や市島くんに早苗ちゃん、三田村(鳶魚)や幸田露伴、野崎三文に淡島寒月etc‥の回想が取り上げられていました。市島君の周辺が相当愉快そう。成島が福地のこと皮肉ってる狂歌を嬉々として紹介する市島君がなんか愛おしい。楽しいネタ本です。