- Amazon.co.jp ・本 (260ページ)
- / ISBN・EAN: 9784003260548
感想・レビュー・書評
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3.78/179
『詐欺師チチコフは戸籍面では生きていることになっている死んだ農奴を買いあつめて,これを抵当にして銀行から金を引出すため,ロシア各地を遍歴する.作者はこの遍歴のなかで,随所に道徳的破綻者を発見し,それに対して鋭い社会的解剖を加え,腐敗したロシアの全貌と,その生活につつまれた「夢」とを白日の下に暴露して,誤った社会制度と国家組織に痛烈な批判を下す.』(「岩波書店」サイトより▽)
https://www.iwanami.co.jp/book/b248160.html
原書名:『Мёртвые души』(英語版『Dead Souls』)
著者:ニコライ・ゴーゴリ (Nikolay Gogol)
訳者:平井 肇、横田 瑞穂
出版社 : 岩波書店
文庫 : 260ページ(上巻) 全三巻
メモ
・世界文学ベスト100冊(Norwegian Book Clubs)
・死ぬまでに読むべき小説1000冊(The Guardian)「Guardian's 1000 novels everyone must read」詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
■とある県庁所在地にひょっこり現れた小ぎれいな紳士、チチコフ。彼は当地の地主たちに渡りをつけ、彼らがかつて所有していた農奴、つまり既に死んでしまってはいるがまだ戸籍が残っている農奴を買い取ろうと申し出る。相手の地主たちからしたら、死んだ農奴は次の国勢調査まで戸籍が抹消されないため人頭税だけはかかる仕組みになっているものだから、ロハでも引き取ってもらえば大いに結構なはず。しかし欲深い地主たちはみな一筋縄ではいかない変人ばかりで……。
■この『死せる魂(上)』ではそんなチチコフと地主たちの埒のあかない商談が繰り返されるだけ。しかしそもそも死んだ農奴の戸籍など手に入れてどうするつもりなのか、そんなチチコフの肝心な目的がさっぱり明らかにされず読者にはイライラが募る。果たして謎の人物チチコフの真意とは? ……中巻に続く。 -
平易で読みやすく、おかしみのある文章に訳で、古風な言葉選びも現代では使われない言葉の幅を感じ、とても楽しく読めました。
死んだ農奴の提出されていない戸籍を集める主人公。訳は謎のまま物語は始まる。
その間に描かれる古き露西亞の地主やその領地という独特の農村や文化も面白いです。露西亞っていう特殊に愛嬌のある変わった国のこと、それを意識し欧州に対して見せている劣等感のような、誇りのような想いの覗ける文がなかなか愛嬌があり可愛かったです。続き楽しみです。 -
死んだ農奴を譲って欲しいと地主周りをするチチコフ。一癖も二癖もある地主たと言葉巧みに丸め込もうとするチチコフのやりとりが面白い。食事のシーンの描写も詳しいがあまりうまそうじゃない
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スコットランド、エジンバラなどを舞台とした作品です。
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RusLit
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まさかこれは現代日本の話なのではと思う(笑
還付金詐欺を思い出した。
ゴーゴリの祖国ロシアに対する愛が伝わってきて楽しい。
なんだかしょうもない主人公が可愛くなってくる。
人形劇のような可愛いらしい雰囲気でこの本かなり好き。
挿絵も面白い。
つまり。愉快な本なんだよ。
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題名から想像できる内容と違い、実はユーモアに溢れた読みやすい話です。しかも笑いながらしみじみと哀しくなってくる。ロシア、というとこの本のイメージが胸をよぎります。