丘 (岩波文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003751251

作品紹介・あらすじ

舞台は、美しくも厳しい自然と対峙する山間の小さな集落。死の床にある長老ジャネはうわごとのように謎の言葉を繰り返す。自然の異変を感じ取る村人たち。山火事が起こるに及んで、その原因をジャネにもとめるが…。『木を植えた男』で知られるジオノの処女作。アンドレ・ジイドが激賞した詩のような物語。

感想・レビュー・書評

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  • 心にじわーっと何かが広がる忘れられない一冊。
    人と自然、アニミズム的な世界感が躍動的に描かれています。
    私、好きです。

  • 数多く読んではいませんが、それでもこの作品は私の知るフランス文学としてはかなり異質だと感じます。舞台がパリなどの都市部ではなく、山奥の集落。恋愛要素も人物の心理描写も皆無。中でも一番驚いたのはキリスト教の影響があまり見受けられないところで(何でも作者はキリスト教を宗教として信じていなかったそうな)、神(God)の存在が希薄なおかげで「人間も天然自然の一部でしかない」という物語のテーマが実に明瞭になっています。フランスというより日本の東北地方あたりがしっくりきそうな世界で、とても日本的に思える作品です。

  • ここに現れた丘は、
    畏れとヒューマニズムの交錯した結晶である。

    神が言葉を作ったのではなく、
    神は言葉とともにある。

    ヒキガエルですら神話的な格をもって
    我々に殺される。

    いまや、神は土の中だが
    消え去ることもないだろう。

    丘とは取り囲むものであり、
    もともと我々の足元にある。

  • 原書名:Colline

    著者:ジャン・ジオノ(Giono, Jean, 1895-1970、フランス、小説家)
    訳者:山本省(1946-、兵庫県、フランス文学)

  • 紙数は小品の部類だが、扱われたテーマは小さくない。しかしながら過度な重さはなく、そこも良い。
    丘に暮らす四組の家族を翻弄する、死を迎えた長老のうわごと。泉が枯れ、丘の自然が次第に暴君的性格を見せ始める。作者が「詩」というように、自信なさ気な説明的文章を排除した描写が素晴らしい。
    この作家の長編が読みたくなった。

  • フランス映画のような世界。よく理解できないけれど、雰囲気は味わえたからそれでいいや。

  • 薄い本だけれども、読みにくい~><

  • 冒頭の自然描写が秀逸。

  • 毎日新聞の書評を読んで購入。http://mainichi.jp/feature/news/20120318ddm015070041000c.html
    書評を読んで期待していた中身とはちょっと違ったけど面白かった。

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著者プロフィール

Jean Giono.1895~1970. 
作家。プロヴァンス地方マノスク生まれ。16歳で銀行員として働き始める。1914年、第一次世界大戦に出征。1929年、長編小説『丘』がアンドレ・ジッドに認められ出版。第二次世界大戦では徴兵反対運動を行う。1939年、逮捕される。1953年の『木を植えた男』はジオノ没後、20数か国語に翻訳された。
邦訳書に『蛇座』(山本省訳、彩流社、2021年)、『純粋の探究』(山本省訳、彩流社、2021年)、『大群』(山本省訳、彩流社、2021年)、『本当の豊かさ』(山本省訳、彩流社、2020年)、『青い目のジャン』(山本省訳、彩流社、2020年)、『丘 岩波文庫』(山本省訳、岩波書店、2012年)、『ボミューニュの男』(山本省 訳、彩流社、2019年)、『二番草』(山本省 訳、彩流社、2020年)、『世界の歌』(山本省訳、河出書房新社、2005年)、『気晴らしのない王様』(酒井由紀代訳、河出書房新社、1995年)、『いかさまトランプ師の冒険』(酒井由紀代訳、河出書房新社、1997年)、『木を植えた男』(山本省訳、彩流社、2006年、他多数翻訳あり)、『屋根の上の軽騎兵』(酒井由紀代訳、河出書房新社、1997年)、『喜びは永遠に残る』(山本省訳、河出書房新社、2001年)、『憐憫の孤独』(山本省 訳、彩流社、2016年)などがある。



「2022年 『メルヴィルに挨拶するために』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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