- Amazon.co.jp ・本 (194ページ)
- / ISBN・EAN: 9784004307822
作品紹介・あらすじ
好況時は過重労働、不況時はリストラ。私たちはまるで経済に従属して生きているかのようだ。これは本来の姿なのか?現在の閉塞状況は「構造改革」で打開できるのか?いまこそ人間に従属する経済システムをつくる絶好の機会であり、それが閉塞打破のカギにもなる。社会、政治、経済の三者のあるべき形を提案する、斬新な経済社会論。
感想・レビュー・書評
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日本社会事業大学現学長である著者がバブル崩壊前後の日本経済施策をバッサリと切り捨てる。20年近く前の論旨が今の状況にも当て嵌まってしまっていることを実感せずにはいられない。
「財政民主主義といわれるように、財政は民主主義にもとづいて運営されなければならない。「主」とは支配する者を意味する。民主主義とは民つまり統治される者が、主つまり支配する者になることを意味する。」
「知識社会における生産性の向上には、二つの要素が重要になることがわかる。ひとつは、個人的な知的能力である。もうひとつは、知識を自由に与えあう人間のきずなである。前者の個人的能力と、後者の人間のきずなをあわせて「知識資本」と呼ぶと、知識社会では知識資本の蓄積が生産を決定することになる。」
「自由時間とは本来、人間が人間としての幸福を味わう時間である。人間とふれあい、愛しあい、学びあい、ともに遊ぶ、それによって人間の文化的豊かさを体験しつつ、人間としての力を発揮して人間の文化を創造する時間である。」詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
日本の歴史を省みない政策により日本の危うさが語られている。
印象が強かったのは対照的に取り上げられた知識社会を実現するスウェーデンについて。
例えばカルマー工場は流れ作業ではなくチームで一つのものを作り上げる。これにより「何を」作っているのかを意識でき担うことができる。これは本著の中で語られたマズローの欲求の目的を持つことをうまく充足させた考え方であるといえる。
また、学習サークルも魅力的だ。参加者の意思によって幅広い学習プログラムを受けることができる。参加は有料だが5人以上など一定の条件をクリアすれば補助金も受けられる。
日本に対して厳しい目を向けていると思いきや結びには励ましの言葉を綴っている。確かに悲観的な見方ばかりでは社会の成長は滞おる。しかし2002年にかかれたこの本の日本への指摘は現在でも当てはまりむしろ悪化の一途を辿っている気がしてならない。不安を覚えつつも自分たちが何ができるかについて考えさせられた。 -
いくらスウェーデンやアメリカの経済を真似しようとしてもそれは正解ではないというのが本当にそうで。
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学生時代。
回復しないままか。 -
105円購入2011-10-30
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とうとう本を買うお金がなくなってしまった()ので、節約のために家になぜかある本を拾って読むことにした。
この著者の名前どっかで聞いたことあるなーって思ったんだが、周りの人に聞いても誰も知らなかったのでおそらく俺の勘違いなのだろう。
なんてこと考えながらつらつら読んでいたんだが。序盤はただひたすら理論経済学批判www「人間はホモエコノミクスではない、ホモサピエンスである(キリッ」ってうるせーよww何回も言わんでいいわwwwってかお前の言う「人間的」な部分も効用関数にぶち込めばいいじゃんかwwうぇうぇうぇ
なんて感じで読み進めていくと今度は非常に難解なパートに突入www疲れ、眠さもありほとんど斜め読みでした。すみませんww
そして、最後は流行の北欧を見習え論www女子大生みたいな思考だなwww日本だめ、海外すばらしいのオンパレードwwまあ日本がオワコンなのは同意するがwww
ってな感じでいつの間にか読み終わってた。まあそこそこ面白かったんだが(いろんな意味で)、なんつーか、財政社会学の人ってひたすら理想論展開するよね。もうちょい現実的なことを。なんでも財政社会学ってワード聞いた瞬間、俺にDをつけた井○先生を思い出してしまい非常に不愉快な気持ちになりますたwwwうぇうぇうぇ
と久しぶりに変なテンションでのレビューでした。 -
読み終わりました。
読みやすい方だと思います。
10年位前に書かれた本だから、今はどう考えていらっしゃるのかしら~?なんて思いがわきました。
スウェーデンの政策について、今は?というのも気になりました。
知識社会ということを改めて考えさせられる内容でした。 -
・新自由主義的な発想に基づく日本の構造改革は人間的な能力を必要としない職務を増加させることによって、コストを低下させる改革である。
・ケインズ的福祉国家は、現金給付による所得再分配で社会的セーフティネットを張り、公共事業を実施して需要サイドから経済システムに介入するものだが、もう時代にそぐわなくなっている。知識資本を蓄積して、イノベーションを巻き起こす、供給サイドからの経済システムへの介入が必要となる。
などと偉そうに述べているが、考察が希薄で説得力がまったくない。
人間回復、人間同士に絆などの美辞麗句を随所に挟んで議論をごまかしているだけのように思われる。