なつかしい時間 (岩波新書)

著者 :
  • 岩波書店
4.26
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本棚登録 : 574
感想 : 44
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784004314141

感想・レビュー・書評

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  • 付箋が山のよう…

    レビューがうまく書けないので、読書の記録としてフレーズ機能を使用中。
    読みながら気になった個所に付箋を挟んでいき、読了後登録。

    長田弘さんの著作にはいつも山のような付箋が…
    もはや全文付箋の勢い。


    2013年発行の本書であるけれど、現在の情勢にリンクするような深く鋭いまなざしは没後5年たった今なお新鮮に感じられる。

    ひとつ引用する。

    ”いまは、何事もクローズアップで見て、クローズアップで考えるということが、あまりにも多いということに気づきます。クローズアップは部分を拡大して、全体を斥けます。見えないものが見えるようになった代わりに、たぶんそのぶんわたしたちは、見えているものをちゃんと見なくなった。”

    当事者でなくとも、まるで見てきたかのような錯覚を覚える発言を、誰もが気軽に発信できる世の中は長田さんの憂う「クローズアップで見て、クローズアップで考える」ということではないだろうか。


    いま、目の前にあるものを大切に。

  • 2018.12.3

  • つまらない

  •  
    ── 長田 弘《なつかしい時間 20130221 岩波新書》
    http://booklog.jp/users/awalibrary/archives/1/4004314143
     
    …… 失ってはいけない『なつかしい時間』ラジオ版《学問ノススメ》vol369
    https://www.youtube.com/watch?v=COe-zPbmfKA(20170704 1:17:44)
     
    (20180817)
     

  • やはり、人本来の力は経験でのみ蓄積する。外部記憶は人間を違う生き物にしてしまう。この流れは止めなければならない。日本人気質が消えてしまう。

  • デジタル化で失ったものをこれから取り戻す。

  • 長田弘さんの視点がすごく勉強になる。よりよく未来に向けて生きるための最高の言葉たち。

  • 詩人、長田弘の「なつかし時間」(岩波新書)を
    読みました。
    この本は、NHK「視点・論点」の17年間の原稿をもとに
    集成されたもので、短いエッセイが綴られています。
    その中の一篇、「使い方の哲学」を紹介しましょう。
    『わたしたちのあいだに日々の活力を生んできたのはつねに、
    何かを「手に入れる」ということだったのだと思います。
    知識を手に入れる、技術を手に入れる、
    職業を手に入れる、地位を手に入れる。
    そして、そのあげく、その豊かさを削いできたのは、
    手に入れたものをどう使うかという
    「使い方の」の哲学の貧困、「使い方の」の哲学の乏しさだった。
    「手に入れる」というのは、
    「市利朝名」(※西郷隆盛の詩の文言で地位名誉などを指す)が
    目的なのではなくて、本当は自分の時間を
    「手に入れる」ことだという考え方、
    感じ方だったのではないかと思うのです。
    忘れられたのは、よい時間、自由な時間、わたしたちの時間を
    「手に入れる」、しれが社会の豊かさだ、という価値観です。
    たとえば、「手に入れる」哲学しか持たなかったバブル経済が
    結果したのは、「使い方」の哲学の欠如を
    象徴するような不良債権でした。
    ただただ「手に入れる」だけの文化から、
    「使い方」の哲学をもつ文化への、
    価値観の転換。いまという時代は、
    何より「使い方」の哲学を必要としています。』
    寝起き眼だった私の顔面に冷水をあびせられ思いがしております。
    そして、何より、咀嚼し、反芻し、噛みしめ、味わい、一文字づつ
    文字をていねいに文字を置いておられるのが手をとるようにわかります。
    本屋でこの本を立ち読みなさって見てください、お薦めしますー

  • ↓貸出状況確認はこちら↓
    https://opac2.lib.nara-wu.ac.jp/webopac/BB00236155

  • ◆きっかけ
    『七つめの絵の具』でいせひでこさんが長田氏の『読むことは旅すること』について触れていて、長田氏の文章が読みたくなって。2016/8/1

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著者プロフィール

長田弘(おさだ・ひろし)
1939年、福島県福島市生まれ。早稲田大学第一文学部独文専修卒業。詩人。65年、詩集『われら新鮮な旅人』でデビュー。98年『記憶のつくり方』で桑原武夫学芸賞、2009年『幸いなるかな本を読む人』で詩歌文学館賞、10年『世界はうつくしいと』で三好達治賞、14年『奇跡―ミラクル―』で毎日芸術賞をそれぞれ受賞。また、詩のみならずエッセイ、評論、翻訳、児童文学等の分野においても幅広く活躍し、1982年エッセイ集『私の二十世紀書店』で毎日出版文化賞、2000年『森の絵本』で講談社出版文化賞を受賞。15年5月3日、逝去。

「2022年 『すべてきみに宛てた手紙』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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