- Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
- / ISBN・EAN: 9784004314141
感想・レビュー・書評
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付箋が山のよう…
レビューがうまく書けないので、読書の記録としてフレーズ機能を使用中。
読みながら気になった個所に付箋を挟んでいき、読了後登録。
長田弘さんの著作にはいつも山のような付箋が…
もはや全文付箋の勢い。
2013年発行の本書であるけれど、現在の情勢にリンクするような深く鋭いまなざしは没後5年たった今なお新鮮に感じられる。
ひとつ引用する。
”いまは、何事もクローズアップで見て、クローズアップで考えるということが、あまりにも多いということに気づきます。クローズアップは部分を拡大して、全体を斥けます。見えないものが見えるようになった代わりに、たぶんそのぶんわたしたちは、見えているものをちゃんと見なくなった。”
当事者でなくとも、まるで見てきたかのような錯覚を覚える発言を、誰もが気軽に発信できる世の中は長田さんの憂う「クローズアップで見て、クローズアップで考える」ということではないだろうか。
いま、目の前にあるものを大切に。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
2018.12.3
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つまらない
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やはり、人本来の力は経験でのみ蓄積する。外部記憶は人間を違う生き物にしてしまう。この流れは止めなければならない。日本人気質が消えてしまう。
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デジタル化で失ったものをこれから取り戻す。
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長田弘さんの視点がすごく勉強になる。よりよく未来に向けて生きるための最高の言葉たち。
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詩人、長田弘の「なつかし時間」(岩波新書)を
読みました。
この本は、NHK「視点・論点」の17年間の原稿をもとに
集成されたもので、短いエッセイが綴られています。
その中の一篇、「使い方の哲学」を紹介しましょう。
『わたしたちのあいだに日々の活力を生んできたのはつねに、
何かを「手に入れる」ということだったのだと思います。
知識を手に入れる、技術を手に入れる、
職業を手に入れる、地位を手に入れる。
そして、そのあげく、その豊かさを削いできたのは、
手に入れたものをどう使うかという
「使い方の」の哲学の貧困、「使い方の」の哲学の乏しさだった。
「手に入れる」というのは、
「市利朝名」(※西郷隆盛の詩の文言で地位名誉などを指す)が
目的なのではなくて、本当は自分の時間を
「手に入れる」ことだという考え方、
感じ方だったのではないかと思うのです。
忘れられたのは、よい時間、自由な時間、わたしたちの時間を
「手に入れる」、しれが社会の豊かさだ、という価値観です。
たとえば、「手に入れる」哲学しか持たなかったバブル経済が
結果したのは、「使い方」の哲学の欠如を
象徴するような不良債権でした。
ただただ「手に入れる」だけの文化から、
「使い方」の哲学をもつ文化への、
価値観の転換。いまという時代は、
何より「使い方」の哲学を必要としています。』
寝起き眼だった私の顔面に冷水をあびせられ思いがしております。
そして、何より、咀嚼し、反芻し、噛みしめ、味わい、一文字づつ
文字をていねいに文字を置いておられるのが手をとるようにわかります。
本屋でこの本を立ち読みなさって見てください、お薦めしますー -
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