哲学ってなんだ: 自分と社会を知る (岩波ジュニア新書 415)

著者 :
  • 岩波書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (207ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784005004157

感想・レビュー・書評

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  • 竹田青嗣氏の哲学に通ずる経験、哲学の定義、歴史。さらに実際の思考として「自己」について著者の考えを示した本。

    日頃、なんでいま、日本の生活はこうなってるんだろうと疑問に持つことがあるので、手に取ってみました。

    読みはじめはわかりやすくいい本だと思ったのですが、中盤あたりから次第に読みにくくなり、最後は目で字を追うばかりになってしまいました。
    文章の全体的な筋道を無視して話があっちこっち飛ぶので、読んでる途中、何について考えてたんだっけ? とわからなくなったりします。

    また、著者の考え方の傾向として、問題を既存の哲学の思考に当てはめることが多い気がするのですが、哲学的に考えるとはこのようなことなんだろうか。
    もう少し噛み砕いた、日常から手が届く範囲での議論を期待していた自分には、レベルが高すぎました。

    哲学の発展が、ヨーロッパ社会の変化と密接していることがわかったのがいちばんの収穫でした。
    どうでもいいけど、これを「ジュニア新書」といって哲学を知らない若い人に読ませようとするのは、あまりいい影響を与えない気がするぞ。

  • [ 内容 ]
    哲学というとなんだかむずかしそう。
    けれど、偉い人の立派な考えを学ぶのが哲学ではない。
    何か困難にぶつかったとき、ものごとを根本から考えてみたいとき、そこにはたくさんのノウハウがつまっている。
    哲学者たちは自由や社会、そして自己についてどう考えてきたのか。
    自分をよりよく知るための役に立つ哲学入門。

    [ 目次 ]
    第1章 哲学との出会い
    第2章 哲学の「方法」について
    第3章 哲学の難問
    第4章 近代の哲学者たち(近代哲学がめざしたこと 自由をつきつめる)
    第5章 「自己」を哲学する(「自己」とは何か-自己意識と無意識 他者関係の現象学)
    おわりに 再び哲学とは何か

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    [ 関連図書 ]


    [ 参考となる書評 ]

  • 「たとえば、「美ー醜」のルール、つまりどういうものが自分にとって好きなもの、素敵なものかがはっきりしないと、人は「したいことがよく分からない」状態になる。憧れと大好きこそは人生の原動力だが、このルールが何らかの理由で不安定、未形成だったりすると(たとえば子どもから大人のそれへと十分展開されていない場合)、生の意欲自体が低下する。」

    やっぱり岩波ジュニア新書最高!
    ホントに、分かりやすく説明してくれてる!
    きっと、著者の解釈が大半を占めているとは思うけれど、今まで「?」だったことが「!」に変わったことが多かった。
    現象学についても、たとえ話を用いながらきっと中学生ぐらいでも理解できるほどの説明の仕方だった。
    ふむふむ、なるほどと。
    竹田哲学の初歩の初歩と今までの哲学者たちについて初めて腑に落ちたことがいくつもあって新鮮でした。

    【7/25読了・初読・市立図書館】

  • 読みやすくて高校生くらいにもお薦め。竹田は精神的に苦しいときに哲学と文学に救われたらしい。気になっていた前近代と近代の違いがよく書かれていてよかった。
    ギリシャのスティルポンという人の考えた「独在論」についてのパラドクスって、永井均の<私>とどう違うのだろう。

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著者プロフィール

1947年生まれ。哲学者、文芸評論家。著書に『「自分」を生きるための思想入門』(ちくま文庫)、『人間的自由の条件ーヘーゲルとポストモダン思想』(講談社)など。

「2007年 『自由は人間を幸福にするか』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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