「空気」を読んでも従わない: 生き苦しさからラクになる (岩波ジュニア新書 893)

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  • 岩波書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (189ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784005008933

感想・レビュー・書評

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  • ◯地震に怒っても、日照りに文句を言っても「しょうがない」のです。だから日本人は苦労や苦難に対して「しょうがない」と受け入れるようになったのです。(111p)

    ★同調圧力によるいじめや過労死を見直すきっかけになれば★5でもいいかも。

  • 日本にとって一神教にあたるものが“世間”とあり、すとんと納得できた。
    “世間”と“社会”は異なる。

    私たちはなぜ、人の頼みを断るのが苦しいのか。
    周りの目が気になるのか。
    先輩に従わないといけないのか。

    「空気」に流されないように。

    昨今の炎上ブームがしんどかったのですが、“世間”と“社会”をいっしょにした内容のものばかりだからかと腑に落ちました。

  • ほがらか人生相談をインターネット記事で読み、本書を手に取る。

    ”生き苦しさ”を感じているジュニアの人達が、手を伸ばした先にこの本があれば良いのですが、当事者にとって冷静に状況を分析して、対策を立てて実践するのはまた別の難しさがある。
    まわりの大人である親、学校の先生や養護教諭、習い事の先生などが小さな本棚を用意して、こんな視点もあるよと、伝えられる社会であればと願う。

  • 「世間」に縛られて生きてる日本人。だから、芸能人の不倫が話題になったりするんだな。皆がランドセルで入学し、運動会や合唱コンクールで繋がりを強化し、黒いスーツで就活し、早く帰ると悪いと思う。プレゼントを貰ったらお返しをし、「世間」に嫌われないよう自分を押し殺す。
    鴻上さんは、そんな世間をぶっ壊せとか言ってるんじゃなく、自分で考えて嫌じゃない選択をすることで、自分も楽になるし、世の中も変わるよ、と語りかける。
    うちの子どもがランドセルじゃなくリュックで通学してたら、「(知り合いや兄姉の)キレイなランドセルあるから、使わない?」と本当に親切心から言ってくれた人が何人かいた。別に体制に反抗するとか、ポリシーがあってというわけでなく、単純に身体が小さいし、本人もリュックで良いというから(もちろん、「他の子はみんなランドセルだけどいいの?」と訊いた)そうしただけだったし、学校からも何も言われなかったのに、なぜ他人がそんなに心配してくれるのか不思議だったが、そういう人たちは、私(あるいは子ども)をある程度仲間だと思ってくれていたのだなあ、とちょっとありがたいとすら思ってしまった。日本人らしいな、とも。
    「世間」にも強い世間と弱い世間がある、というのは新鮮だった。強い世間としっくりきてる人の強さってすごいものな。大企業OB会とか経団連とか、高偏差値の学校の同窓会とかが偉そうなのもそういうことね。
    鴻上さんの言うように、どうしても嫌だったら、嫌と言い、自分らしく生きる人が増えていくことを願って止まない。ベビーカーを電車で畳めとか、子どもを泣かすなとか、障害者は出歩くなとか、(欧米人じゃない)外国人は出ていけ、とかも、「世間」が弱まれば、それぞれの人を「個」として尊重できるんじゃないかと思う。

  • ジュニア新書なので、「世間」について、比較的わかりやすく書かれている。

    どう戦うか、の部分は結構したたか(世間のルール逆手にとるなど)で、日常生活の中で子どもが実践するには頭使うというか、ちょっと難しい気もした。そういうことできる子は悩まないっていうか。

    戦うよりも、筆者が言うように、一つの強い世間だけに属するのでなく、いろんな世間を持っていること、に尽きると思う。これはホントにそう。

  • 優しい語り口調で「社会」と「世間」と「空気」について解説してくれる本。
    自分も日本の「世間」の目が気になりすぎて今の自分に自信を持てていない一人だが、この本を読んで少し心が楽になった気がする。
    色々な世間を持つことを実践したい。

  • 欧米と日本の違い、空気の存在、ルールについて知ることができました。空気は言い方次第でかえられるが、コミュ力がない人には難しそう。

  • 「空気を読む」よく使う言葉だけど、よく考えたこともなかった言葉。しかし、日々その「空気」により生き辛さ、生き苦しさを感じることもあった。
    この生き辛さ、生き苦しさを考える上でキーとなるのが「世間」と「社会」である。
    「世間」は自分の現在、または将来と関係のある人、「社会」はその逆で関係のない人のことを指す。日本人にとって、この「世間」とは昔から絶対なものとされていた。逆に外国人にはこの「世間」という考えはなく、基本「社会」にしか生きていない。「社会」に生きていれば必要以上に他人、周りを気にする必要がない。だから人の頼みも笑顔で断ることができる。日本人はそうはいかない。その断る対象が「世間」であることが多いからだ。
    この「世間」が少しマイルドになったものが「空気」であり、日常に溢れて我々を苦しめている。
    確かに「世間」を変えることは難しいかもしれないが、「空気」は意外と簡単に変えられるかもしれない。というか、そもそもその生き苦しさを感じている対象が「世間」なのか「社会」なのかは今後は良く考えて行動したい。本当に守るべき「世間」や読むべき「空気」って思っているほどないのかもしれない。
    それに一つの強い「世間」に生きるのではなく、複数の弱い「世間」に生きるというのも良い考えかもしれない。
    中高生向けの本だったこともあり、非常に読みやすい文章だった。今度は、この本の大人版と言っていた「空気と世間」という本にトライしてみようと思う。

  • なぜ私が会社で違和感を覚えるのか。
    私は社会で生きたいし生きてきてるが
    他の多数の人は世間で生きているからだ。
    私の疑問は他人の常識であり
    いつもなんで?なんで?
    と思うのはそのせいだから。

    「多様な視点や価値観は心を自由にする」

    私が望んでいるのは心の自由。
    だから、他人の価値観に触れることも好きだし
    それを理解したいと思う。
    たくさんの視点があるのに
    片方からしか見ないなんて
    なんてもったいないんだろうと思う。

  • まだ視野の狭い子供にとっては役に立ちそうな気付きを与えてくれる本だった。

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著者プロフィール

著者等紹介
鴻上尚史[コウカミショウジ]
1958年8月2日生まれ。愛媛県新居浜市出身。早稲田大学法学部卒業。劇作家・演出家・エッセイスト・小説家

「2023年 『ヘルメットをかぶった君に会いたい』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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