- Amazon.co.jp ・本 (420ページ)
- / ISBN・EAN: 9784022502728
感想・レビュー・書評
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(2009より転載)
今までに読んだ吉田修一作品の中では、一番だったと思う。
終章のタイトル…ずっと考えながら読んで、読み終わっても考えて、 やっぱりあいつだよなー、と私は思ったけど、 読む人によって違うんだろうな。そういう話を書けるのはすごい。
2009/3/12読了 -
読んだのは2回目。
さすがに、1回目に読んだときほどの衝撃はないけど、色々と胸にくるものがあります。
やり場のない怒り、もどかしさ・・・
決して誰も悪くない、というわけではないけれど、誰かを責めることもできないというか・・・
読みごたえのある一冊です。 -
悔しさ、悲しさ、切なさ…
いろいろな感情がまじりあった不思議な読後感 -
長編だったが、続きが気になってあっという間に読んでしまった。ただおもしろいだけではなくしっかり残る作品。
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軽く読むつもりだったのにそうはいきませんでした。全く先入観なしに、映画化されていたことも知らずに読みましたが、素晴らしい内容でした。特に祐一くんには泣かされました。短絡的に結論を出すことはできないのだと、改めて思わされました。あと、大嫌いなマスコミの下劣さも。この世からマスコミとかメディアとかってなくなれば良いと思います。ついでに子金持ちのボンボン二世も。祐一くんに肩入れした結果ですが、タイトルを"悪人"ではなくしてもらえるともう少し救われます。
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何年か前に映画を見て原作は初めて読んだ。
映画を観た時、もうどうしようもなく落ち込んでしまって、胸が切り裂かれる思いがしばらく何日も消えなくて、作り話なのにこんなにも痛みが生々しく心が持っていかれてしまう体験は初めてで、衝撃的だった。
それを覚えているから、原作を読んでいる時は、なるべく作品に入り込まないように注意しながら読んだ…が、やっぱりダメだった。またも落ち込んでしまった。
そういう意味では、かなり現実逃避のできる本で、そういう意味では、リフレッシュなのかもしれないけど、いかんせん落ちている。
でも読んで良かったと本当に思う。
この作品で唯一救いを挙げるとすれば、ここでの悪人は、自分の中の善を追及した先の最終的な選びようのない結果にすぎない、社会的には悪だけど思想的には善でいられることもあるんだ、と感じることができたことかな。 -
私がレビューでさんざん叩いてる吉田さんですが
こうやってたまに当ててくるから嫌いになれない!
出会い系サイトで知り合った男女の殺人事件の話
こう書くと簡素だが、人間の感情について深く考えさせられる
人を殺した人間が「悪人」なのか
「悪人」だから人を殺したのか
作者のずば抜けた描写力が如何なく発揮された作品
ハードカバーでも相当分厚い本だけど、
その7割は人物と場面の描写といっても過言ではない
事件に関わるさまざまな人間を一人一人完全に描ききっているのが
この作品の最大の良さだと思います
まぁ、一人か二人、この人なんだったの?ってのもあったけど
とりあえず、一人称をころころ変えるという書き方がうまい
ほぼ全てが実在の地名で、セリフはすべて方言
きっと九州の人だったらさらにリアル -
祐一は周りの悪から絡まれて悪事を行い、
悪人となってしまったような感じ…
悪と悪人は違うんじゃないか…
読んでみると
悪って、そんじゃそこらに
いっぱい転がってる…
そのことを考えるなんて
そうそうにないかも…
極論かもしれないけど、
ルールって必要なんだけど、
ホントにいつでも必要なのだろうか…
まだ、先にストーリーがあるなら
光代には、もう一歩
踏み込んでほしいと想った次第。