- Amazon.co.jp ・本 (420ページ)
- / ISBN・EAN: 9784022502728
感想・レビュー・書評
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『2008年 本屋大賞』第4位受賞作。
“保険外交員の女が殺害された。捜査線上に浮かぶ男。彼と出会ったもう一人の女。加害者と被害者、それぞれの家族たち。群像劇は、逃亡劇から純愛劇へ。なぜ、事件は起きたのか?なぜ、二人は逃げ続けるのか?そして、悪人とはいったい誰なのか。”―内容紹介より。
第一章 彼女は誰に会いたかったか?
第二章 彼は誰に会いたかったか?
第三章 彼女は誰に出会ったか?
第四章 彼は誰に出会ったか?
最終章 私が出会った悪人
書評等の高評価もあって、ずっと読んでみたいと思ってた作品。初の吉田修一。
今秋に、映画化されるそうなので、それを機に読んでみました。ワタシとしては、かなりのハイペースで読了。
うーん…深いです。切ないです。
犯人が誰かは、かなり早い段階でわかってるけど…はたして“悪人”は誰なのか。
ハッピーエンドではないんだけど、人に勧めたくなる1冊。ぜひ一度読んでみて欲しいですね。
方言や地名がかなり出てくるので、福岡~佐賀・長崎出身の人は、それも楽しめるかも。心理描写も秀逸です。
祐一の言葉が印象的。
「どっちも被害者にはなれんけん…」
妻夫木聡&深津絵里が演じる映画版も、ぜひとも観てみたい。 -
うーん
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面白過ぎてとまらんかった。
殺人犯やのに、幸せになってほしくてたまらん小説でした。 -
もぅ少し早くに出会いはどぅであれ2人が知り合っていれば・・何だか切なくなる。。方言も好き♪
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「アンタ、大切な人はおるね?」
この言葉にはっとした。今の世の中、大切な人がいない人間が多すぎる、そんな言葉がすごく、突き刺さった。
なんというか、読んでいて心がずしっと重くなった。この話のタイトルである、悪人というのはだれだったのだろう。ひとを殺した祐一が、そりゃあいっちゃん端的にそれを表していることはわかるのだけど、一概にはいえない。祐一がこの行為に及んだ背景には、たくさんの、なんというか、そこに至るものがあったと思うのだ。様々なものが絡み合って、あれが起こってしまったと思うのだ。だって、佳乃があそこで祐一に対して素直になっていれば、あの場所で殺されることはなかったはず。
光代の、あの人は悪人やったんですよね?っていう言葉がまた、がつんと胸にきた。わたしには、自分にいい聞かせているようにしか思えなかった。あれが一時の熱ならば、こんなに苦しくなることはなかったのに。
所々に入る、逃げてはならない、という言葉がつらくて、房枝の立ち向かう姿に泣いてしまった。
あと、「人の気持ちに匂いがした」っていう表現がほんとに、いい。
(420P) -
前半は、一気読み。
じわじわと事件の全貌に近づいていく、サスペンスの静かな怖さがある。
心理面にシフトする後半は、ややトーンダウン。
殺人は赦されないが、犯人以外は善人というわけではない。
本当の悪人は誰だったのか、考えさせられる。
最後は、物悲しい。
http://koroppy.cocolog-nifty.com/blog/2012/01/post-d1a0.html