学歴の耐えられない軽さ やばくないか、その大学、その会社、その常識

著者 :
  • 朝日新聞出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (184ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022505804

作品紹介・あらすじ

入学者に占める一般入試者の割合、早稲田政経たったの39.3%?人気企業ランキングには裏技が。どうなってんだ、この国は。学歴、新卒、転職のウソ。応募する側も、採用する側も、何もわかっていなかった。転職請負漫画「エンゼルバンク ドラゴン桜外伝」のモデルとなった人事&雇用のカリスマが暴く「キャリア幻想論」。

感想・レビュー・書評

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  • これは、目からウロコ。
    大学生の学力低下は入試制度と偏差値のトリックが原因
    人気企業が危ない
    就職氷河期の学生は転職ができる
    35歳以上の終身雇用は揺らいでいない
    非正規労働者の増加は、大学進学率アップが原因

  • 偏差値のからくりから未履修問題、教育には言いたくても言えない裏事情があるようだ。日本の総合職について光を当てている興味深い内容だった。

  • タイトル通りの内容は第1章のみで,後半は近年の(といっても5年以上前ですが)新卒生達の就職事情が中心です。

    私が注目したのは,その後半部分です。
    「若者はけっこうカワイソウじゃない」という著者の持論に,私も強く同意します。

    「カワイソウな若者」の状況を生み出したのは,企業・政治・教育機関などの大人達であることは間違いありませんが,それにしても日本の雇用環境はそれほど悪くないと著者は主張します。
    それは,①選り好みをしなければ新卒者の就職は容易(有効求人倍率が1を切ることは殆どない),②景気の波による転職チャンスが20歳代に2度訪れる可能性が高い,③日本企業の「総合職」には意外と弾力性がある,といった理由によります。

    欧米に比べると,日本には若手を「育てる」意識が強い企業が多いことは間違いありません。そのことは,日本の若年層の失業率の低さが如実に表しています。
    中小企業であっても選り好みせずに就職して経験を積み,チャンスが訪れれば転職をしたらいいし,そもそも日本の企業には企業内での流動性(移動など)は高いので,配置転換などで自分の「居場所」を求めることも十分に可能だということです。

    若者達には,とにかく「大手企業」「名の通ったB to C企業」ばかりを目指すのではなく,数多の優良な中小企業への就職を検討して,「置かれた場所」で花を咲かせてもらいたいと願います。
    ワーク・ライフバランスを考えれば,大手企業に入って高収入や安定を得ることだけが人生の幸せではないことは明らかです。


    著者の着眼点は素晴らしく,分析は鋭く,提案も斬新で興味深いのですが,何だろうこの読後のモヤモヤ感・・・
    たいへん失礼ながら,文章がやや雑である印象を持ちました(校正の問題かもしれません)。
    時々,何を言いたいのかがわからなくなる時がありました。同著者の書いた「女子のキャリア」の方が,全体的に完成度は高いという印象を持ちました。

  • 良い大学を出て、大企業に入っても知識・能力が伴っていない。そういう人たちが増えた理由を、世論とは少し違った視点から、大学・企業の考え方をデータを使って説明しています。

  • 全部読まなかったが、気になる項目だけφ(..)メモメモ

    ・秘技、旧帝大「生物・食品・農学部」卒
    就職難易度が高いが、大学側は志願者が減ることを恐れ、公にはしない。しかし、「大学ブランド偏重企業」は旧帝大卒の学生を増やし、箔を付けたいためだけに採用する。この3学部から採用された側が気を付けるべきポイントは、数字に対して強くない、ということ。

    ・就活期の景気で人生は決まらない→誰でも20代にチャンスは2回
    ①大卒×男子×正社員という終身雇用の集団の割合は4割弱
    ②転職率は20代前半~中盤がピークで、30歳になるまでに約半数が転職
    ③日本の景気は好況2.5年+不況1.5年=4年で1サイクル、つまり20代に2回の好況期と不況期がやってくる
    ④不況期就職組は好況期で転職できる可能性は高い
    ⑤20代中盤~30代の転職率も高いが、「未経験職務」での採用は難しい、業界や企業規模を変える転職が主流

  • なかなか評判になるだけのことはある。
    マスコミ等(?)が意識的か無意識かは別としてミスリードしていることの本質が垣間見える。
    過去の常識にとらわれていてはいけないということか。
    大学も企業も大変。
    特に弱小なところが生き残るには本気で発想の転換ができるかどうかにかかっているのだろう。

  • 図書館で借りた。

    大学卒業時の就職について、データを示しながら分析している。

    大学の学生を構成する層が変わっていることを示し、大学生の数が増えたのだから大企業の正規職員になれない新卒が増えるのは当たり前だと続けている。
    私立大学入学者の約半数は一般入試以外で入学しているらしい。これでは確かに校風も卒業生の質も変わりそう。

    日本は巷で言われるほどに終身雇用ではなく、30歳以降の終身雇用と考えた方がよいようだった。
    誰でも20代で2回の転職チャンスがある。これは好況と不況の周期で説明されていた。
    著者は社風が自分にあっている企業への就職を勧めていた。人生の1/3くらいを過ごす場所になるのだから、雰囲気が自分と似ている場所の方が長続きするような気がする。

    大企業ばかり見ている就活生に疑問がある反面、心情は想像できる。ただ生活する資金を稼ぐ場にそこまで強い思い入れを求める今の就職活動にも疑問がある。著者の勧めるような割り切りのある就職活動がもっと広く知られれば卒業時にそこまで悩まなくてもよくなる気がした。

  • 営業成績が悪いと解雇されるというイメージはアメリカ型「就職」の場合で、日本型「就社」では、そうならないとのこと。2,3年ごとにジョブチェンジさせていく日本型総合職についての考察がとても勉強になった。タイトルは、『間違いだらけの就活常識』みたいな方が適していると思う。

  • アメリカの大学も日本の大学もしょせんは学者になるための勉強を教える機関。文系卒業生はその大半は営業か事務のどちらかにしか配属されない。
    経済学も法理論もそこでは不要。学者にならない人にとっては人生に厚みを増す程度に学んでおけばよい。では何を学ぶのか。ここで社会人実務に寄りすぎると、専門学校との差がわからなくなる。あくまでも大学はアカデミックな存在でなければならない。

  • 逗子図書館

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著者プロフィール

雇用ジャーナリスト、経済産業研究所コア研究員、人材・経営誌『HRmics』編集長、ニッチモ代表取締役、リクルートキャリア社フェロー(特別研究員)。
1964年、東京生まれ、大手メーカーを経て、リクルート人材センター(リクルートエージェント→リクルートキャリアに社名変更)入社。新規事業の企画・推進、人事制度設計などに携わる。その後、リクルートワークス研究所にて「Works」編集長に。2008年、人事コンサルティング会社「ニッチモ」を立ち上げる。『エンゼルバンク─ドラゴン桜外伝』(「モーニング」連載)の主人公、海老沢康生のモデル。
主な著書に、『「AIで仕事がなくなる」論のウソ』(イースト・プレス)、『雇用の常識「本当に見えるウソ」』(ちくま文庫)、『面接の10分前、1日前、1週間前にやるべきこと』(小学館文庫)、『仕事をしたつもり』(星海社新書)、『女子のキャリア』(ちくまプリマー新書)、『無理・無意味から職場を救うマネジメントの基礎理論』『経済ってこうなってるんだ教室』(ともにプレジデント社)など。

「2018年 『名著17冊の著者との往復書簡で読み解く 人事の成り立ち』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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