身体のいいなり

著者 : 内澤旬子

• 朝日新聞出版 (2010年12月17日発売)

感想・レビュー・書評

[bibliotekさんの感想 · 2013年3月8日]

健康オタクの自分にとっては、とても興味深い本だった。
しかーし、健康オタクの身からひとこと言わしてもらうと、「気付くの、遅っっっ！」

[ちょさんの感想 · 2013年3月3日]

　がんになってから健康になった。というなんともはやなエッセイ。とはいっても別に健康法の話じゃない（と思う）。
　世界屠畜紀行でこの作者の本を初めて読んだんだけれども、裏側がこうなっていたのか、と驚く。
　非常なネガティブ性と、それらを自分の内側のこととして捉え、切り捨てて判断できる冷静さに驚いた。うん。表現する際にすべてではなくて見せたいものを上手く見せる計算がある（作家だから当たり前なのかもしれないけどね）。
　なのでこれはノンフィクションというよりは作品だなぁという気がする。

[ちゃあさんの感想 · 2012年11月9日]

面白かった。著者は、馬鹿正直なほど胸の内をさらけ出している。あまりに正直過ぎて、清々しいほどだ。身体のトラブルを長らく抱えていながら、運良くというか、運命に導かれるように、それらを解消していく。その過程が、何となく揺蕩うようで、とても不思議だ。彼女がこのまま健やかに過ごせるといいな、と思える読後感を得られる（ことが意外なほど、本文はひねくれた感じである）。自分のことを他人のことより突き放している感じが、とても異色で好もしい「患者本」である。

[mikaちゃんさんの感想 · 2012年10月13日]

ブツブツといろんな悩み抱えながら人生過ごしてる時に限って大病発覚！
重大な出来事だけれど、優先順位はたまにテキトー。
段々"自分"のハンドルさばきが上手くなる！？
"身体のいいなり"って心のままに生きれば良い、自分を知る近道ということなんだなぁ〜と感じました。

[山俊美さんの感想 · 2012年8月12日]

同世代の抱える現実を垣間見る気がする。ホッとする気持ち半分。覚悟半分。医者によくかかる虚弱体質な自身に、つい照らし合わせて読んでしまいました。

[dearwolfさんの感想 · 2012年8月6日]

表紙がインパクト大。

頭がどんなに理屈をこね回しても、
身体は本当のことしか言わない。

[mojaeさんの感想 · 2012年6月24日]

とさつ紀行を書いた人。
体のがたが来すぎでしょ、と思う人です。いろいろ背負いすぎて普通の状態がわからなくなってたみたい。病院も軽いうちにはいってないところがよくあるパターンやなあ、と。
でも忙しすぎて、NOも言えなくなって、ガンになってもうがんばらなくてもよいんだ、と思うメンタリティはそうとうキてるなあ、と思った。
やっと自分の体に向き合うことに許しが出て、取り除く作業をし始めるのはなんだか面白い。
表面に現れない虚弱性は辛いよなあ、と共感する。あたしもそうだもの。誰も心配してくれないさ！
とりあえず、見習いたいこと
1ヨガ　まったり系の
2使わないものを捨てる
3からだの声を一番に聞く

3が一番だなあ。

[sawatbookさんの感想 · 2012年5月18日]

自分をさらけ出している文章に凄みを感じる。少し、斜めに構えて物事を見ていることに好感がもてる。ガンを「癌」と表現しているところにも筆者の考えが出ている。
これからもこんな文章を書いて読者を楽しませてほしい。

[chigiradioさんの感想 · 2012年4月21日]

優れた観察力と緻密なイラストによるルポで知られる著者の、乳がんをきっかけにした自分と身体とのつきあいに関するルポ、といっていいと思う。
特にしたくもないのにせざるを得ない身体をめぐる自意識との葛藤を、他者に見せたくないはずの部分も含めて容赦なく描写しているあたりはさすが。
欲をいえばもっとイラストも見たかったな。

[mytecleさんの感想 · 2012年4月20日]

なんとなく身体の具合が悪い人がたくさんいるような気がする。どっかが痛むとか、だるいけど検査してもなんともない、とか。

自分も風邪ひきやすいかも？（自覚ないのかヽ(｀Д´#)ﾉ ﾑｷ）

とっても虚弱だった著者ががんの手術をきっかけにヨガを始めて、だんだん丈夫になっていくという不思議な体験談……といっていいのかな？

ヨガを続けたのは、からだがくたくたになってよく眠れるようになったからなんだって。
「クタクタになって気持ちがいい」ってのはわかる気がする。

山の斜面で作業をすると、全身が気持ちよく疲れて深く眠れるって体験をしたばっかり。

これからの時代、からだにも意識を向けて感謝し、ケアすることになってくると思う。

その先駆け体験かしら〜〜などと思ったことであった。

著者プロフィール

ルポライター・イラストレーター

「2023年 『ベスト・エッセイ2023』 で使われていた紹介文から引用しています。」