蛇と月と蛙

  • 朝日新聞出版
3.07
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本棚登録 : 130
感想 : 18
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  • Amazon.co.jp ・本 (220ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022508379

作品紹介・あらすじ

これは現代のアニミズムの物語!影を見る。蟲と話す。獣と契る。蛇を抱く。人と動物と月は今もかかわりあっているのです。6つのふしぎ小説集。

感想・レビュー・書評

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  • ゆっくりと読破しました。
    タイトルやテーマに何度か出てきた、 「むし』 の存在や有
    り様が、やはりこの短編集のキーワードになるのではないかというのが最たる感想です。

    一見いないように見えるけどそこにいて、 私たちに関係し ている。 一度見えたら、好意的にせよ否定的にせよ、『異 物』として扱われる。 私たちの都合でそう名付けられる。 そういうものたちを集めているように思えました。
    感慨深かったり、何か私たちに特別なものを想起させる本ではありません。 読後感は漠然としたものです。それで多分いいのだと思います。

    曇った日の昼頃とかに読んで、余韻でぼーっとしながら夜 を迎えて、しまった、夕食を作るのを忘れていたと慌ててみるのにぴったりな本ではないでしょうか。

  • 短編集。
    少し特殊な能力を持った人もしくはその周りにいる人の
    人との関わり方、考え方を描く。

    この著者自身のエッセイのような話もあった。
    海外に行って日本の性文化について説明したりして、普段著者がどのようなことを考えているのか垣間見えた気がした。

  • 久々に「田口ランディ」を読みました。
    彼女らしい作品、かな。
    不可思議なこと、生命のこと、ホラーなこと、そしてエロティックなこと。
    全部少しづつ盛り込まれてて、良い具合にミックスされてる。
    「むしがいる」と「月夜の晩に」が好きでした。

  • 田口ランディの作品がルーマニアで翻訳されているとは驚いた。
    民主化前のルーマニアはめちゃくちゃだった。石鹸もぜいたく品だった。物凄い節約政策を断行したから国民生活は苦しんだ。国民を本当に飢えさせて1989年に借金を返済した。

    これからだって何が起こるかわからない。人間1人の力じゃどうにもならないことがある。
    学生時代、ヨーロッパの古代史などに全く興味も関心もなく自分とはなんの接点もない無用な知識であると感じていたが、年をとり、日本や世界を歩き回り、断片的な知識を得ていくと、一切関係のないようにみえた2つのものの背後にも、歴史的な繋がりがあることがわかってくる。より大きな視点を持たなければ、物事のおそるべき必然は見えない。そして歴史の点に過ぎない人間に理解できることなど、ほとんどないのだと感じるようになった。無駄なものは何1つないが、どう関わっているのかを完璧に知ることはできないのだ。

  • H25/1/4

  • 中盤までエッセイだと思って読んでた。

  • 2012/01/02
    自宅

  • なんか、不思議な感じの作品もあり、現実的な作品もあり、の短編。うーん、理解に苦しむのもあれば、親の話しになると身に詰まる感じもしたり。そんな凸凹な感じが良いと言えば、良いのでしょうが・・・。うーん。

  • ランディさんは好きな作家なのですが、
    この作品集のぬめっとした感じが、今の私には会わなかったようです。

  • ランディさんの小説は読むときゅ~~と胸が苦しくなる。けど、そこがいい。切なくて、悲しくて....。

  • 6つの短編集。不思議な世界感が溢れていました。好きだったのは「4ヶ月、3週と2日」。日本人のセックス観、ホント無法地帯。小学生の漫画にエロイシーンがガンガン載ってるらしい(見たこと無いが)。こんな社会に明るい未来なんてあるんかい?とどの作品を読んでもなんか、先行きの不安を感じてしまいました。けど、読後感は悪くなく、読みやすかったし、不思議な感覚にすっと入っていけました。「河童と遭う」・・・私も遭いたい。

  • あり得ないだろうと思うお話ばかりなのにエッセイなのかと錯覚する不思議と現実味のある作品。田口さんの小説を読むと少し暗くてふわふわした感覚に陥る。「むしがいる」と「蛇と月と蛙」の中の家畜は人間を目指すが好き。

  • 日本人女性のセックスってそうなんだ。
    へ〜。

  • 短編集
    その1 影のはなし
    その2 むしがいる
    その3 4ヶ月、3週と2日
    その4 河童と遭う
    その5 月夜の晩に
    その5 蛇と月と蛙

  • 図書館にて。
    最初は私小説かと思っていたら、最後の方はフィクション?
    そんなようなこの人の本を前に読んだことがあるような…。
    嫌いじゃない、でもこういう同じパターンってどうなのかな…。

  • 小説のような、私小説のような不思議な1冊。
    第六感、人の死がわかる、蠢く「むし」をみることができる等…
    そして、筆者がルーマニアに行ったときの自らの作品から、日本の女性のセックス感について語ることになったこと等々…

  • タイトルになっている『蛇と月と蛙』以外は好みだった。
    人が死ぬタイミングがわかったり、人に巣食うムシの存在を感知したり、不思議と行きたくなった沖縄での不思議体験と不思議話が盛りだくさん。特別な力ってどうなの? ない方が幸せなのかも。

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著者プロフィール

作家。

「2015年 『講座スピリチュアル学 第4巻 スピリチュアリティと環境』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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