夜をぶっとばせ

著者 :
  • 朝日新聞出版
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本棚登録 : 258
感想 : 62
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  • Amazon.co.jp ・本 (164ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022509758

感想・レビュー・書評

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  • 何と言うか、作者の策中?にすっぽりはまり込んだ感じ。まずタイトル、ストーンズ。父親にCDを怒りにまかせてたたき壊されて以来、音楽は聴かずにひたすら歌詞を、ノートに書き写す、小学三年生の長男。小さい頃から不安定なところがあり、一時期はしめじしか食べなくなり、今は小児心理室で箱庭療法を受けている小学一年生の長女。カメラマンの夫に、DVを受け続け、考えないことで自分を守ろうとする主人公。自分が、すっかり変わってしまった、と自覚していて、現状を変える術も知らない。PCを使い始めることで、新しい歪んだ世界に何かを求めようとするが…

  • 主人公たまきさんのふわふわした感じが全編にあふれています。友達もたまきさんの夫も、ふわふわしている感じかな。
    ふわふわした感じでここまでするかという感想。
    夜をぶっとばせとのつながりが良く分からなかった。

  • こうやさんだと思ってたらあれのさんだった!
    え!どうして、という驚きの結末だった。
    新しい感覚だ。

  • 登場人物全員が、クソみたいな魅力のない人ばかりで全体的に薄暗くて寒々しいストーリー。一言で言えば闇の世界の話。なのに、ありえるかも、とか思ってしまうのは人の心は多面だからかな。2時間くらいで一気読み。

  • 登場人物はほとんど全員不愉快なヤツら。
    なんやねん、こいつらムカつくわぁ。
    やってることも考えてることも何もかも、いちいち癇に障る、そういうヤツらが織りなす物語だからオモロイはずもなく、不愉快な気分のまま読み進めた。

    不愉快なくせに読みやすい。読みやすい文章は好きなのでついつい読んでしまう。ほんで不愉快になる。なんだこの小説、どこにある作者の意図…

    旦那の目線で書かれた後半の作品に至っては、なんでこいつらこういう風に絡むかな…。なんで一夫多妻制をここで使うかな。なんでハスキー犬かな。

    夜じゃなく、この小説の色んなとこをぶっ飛ばしたくなった。暴力はいけません…

  • いじめにあっている長男、シメジしか食べなくなってしまった娘、そしてろくに働かない夫。ある日、メル友募集の掲示板に書き込みをしたことで、35歳の主婦・たまきの人生は転がりはじめる

  • なにか歪んでいるのだと思う。でも、その渦中では自分の歪みはわからない。今を破壊することで、解決できるのか?
    自分も、あるかもしれない・・。
    いつも、そんな怖さのある作者の作品だと思う。

  • DV夫からの逃避を図るため、手に入れたパソコンを使って出会い系サイトにハマっていく二児の母親である女が主人公。
    夫が帰ってくると子供たちが緊張する場面や、いつの間にか流されて現状にいたってしまったことを回想する場面は面白かった。
    しかし、全体的に語り口調が言い訳がましい。
    終わり方も中途半端な感じがして、どうせならもっと同級生で昔好きだった原田君のことや、妙に勘が良い娘の繭のことも突っ込んでほしかった。

    後半ではDV夫(離婚した後の話なので元夫)の雅彦が主人公になるが、正直こっちの話はなくてもよかったような気が…。表題作の何年か後に書かれたようですが。
    たまきの再婚相手がアフリカのどこかの国の男なのも、一夫多妻という制度が急に持ち込まれるところも、なんだか唐突。
    たまきの一人称語りだった前半とは違い、後半は雅彦の視点に寄ってはいるものの三人称で語られているので、突然現れた3年後のたまきと子供たちが何を考えてるのかさっぱりわからないのも、なんだか不気味。

  • たまき、雅彦、瑤子

  • パワフルだわ!

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著者プロフィール

井上荒野
一九六一年東京生まれ。成蹊大学文学部卒。八九年「わたしのヌレエフ」で第一回フェミナ賞受賞。二〇〇四年『潤一』で第一一回島清恋愛文学賞、〇八年『切羽へ』で第一三九回直木賞、一一年『そこへ行くな』で第六回中央公論文芸賞、一六年『赤へ』で第二九回柴田錬三郎賞を受賞。その他の著書に『もう切るわ』『誰よりも美しい妻』『キャベツ炒めに捧ぐ』『結婚』『それを愛とまちがえるから』『悪い恋人』『ママがやった』『あちらにいる鬼』『よその島』など多数。

「2023年 『よその島』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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