秋山兄弟 好古と真之 明治の人材はいかにして生まれたか (朝日新書 206)

著者 :
  • 朝日新聞出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (264ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022733061

作品紹介・あらすじ

明治日本という国とその国民の質の高さが秋山兄弟という軍事的天才を生み出した。これまで軍事的要素を中心に語られることが多かった秋山兄弟。彼らを生み育てた明治日本という背景を考察することで、人材が生まれる社会、条件とは何かを探る。

感想・レビュー・書評

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  • またまた、歴史好きを名乗りながらも
    全く知らなかったシリーズ、で秋山兄弟をチョイス。今回はいつもの倍以上に全く知らなかった人物だったので、本書がわかりやすくまとめられてて非常に良かった。

    騎兵部隊の向上に努めた兄・好古と戦術の天才・真之。その二人の基礎が江戸時代の教育にあり、何のために働くか、徳とは何か、といった軸のある教育をしてるかどうかに関わるという
    視点が面白かった。
    真之が日露戦争後、目的を失って彷徨う人のように宗教活動に移っていったのはすごく人間らしくてわかるなぁ。日露で勝つために頭も体力も精神も使ったんだろうしね。
    本書は秋山兄弟以外にも優秀な人物として
    火薬の発明者 下瀬雅允、無線電信の開発者
    木村駿吉、国産小銃の作成者 村田経芳など、
    さまざまな人物を挙げてくれてるのですが
    この辺りは戦争関連で教科書に載らないのかな?やっぱり。
    国のために全力で生きた人物として、載せてもいいとは思うんだけどなぁ………。

  • 【目次】(「BOOK」データベースより)
    第1章 戦闘開始ー日露戦争の現場で/第2章 赤ん坊をお寺にやっちゃ厭ぞなー深い兄弟愛/第3章 秋山兄弟、近代教育に漬かるー最初は軍人志望ではなかった二人/第4章 初陣・日清戦争ー騎馬と軍艦/第5章 海外で専門教育を受けるーナポレオンとマハン/第6章 秋山兄弟以外の「秋山」たちー下級武士を動かしたもの/終章 秋山兄弟の遺産ー何を残し、何を残せなかったのか

  • 新書文庫

  • 『坂の上の雲』で有名な秋山好古、実之兄弟について綴った一冊。

    司馬遼太郎の影響か、とかく神格化されがちな秋山兄弟を冷静な視点で分析している。
    また最終章では『坂の上の雲』にも出てくる、日露戦争時に活躍した軍人、技術者についても触れており、それについて的確に書かれているように思えた。

  • 2014年6月4日読了。

  • 「坂の上の雲」でお馴染み?の秋山好古・真之兄弟の日露戦争における軍事的功績や、育った環境、明治日本という背景を考察しながら「いかにして人材が生まれるのか」エピソードを中心に分かりやすくまとめる事が本書の主旨。

    日露戦争のきわどい勝利、その勝因を無理にまとめれば人・物・金が絶妙のタイミングでそろったということだと思う。それは
    ・立身出世して世のため他人のために尽くせと教育された向上心を持つ「人」材
    ・下瀬火薬や無線機などの優秀な武器「物」
    ・高橋是清の不思議な縁で調達できた戦費「金」
    である。

  • [ 内容 ]
    明治日本という国とその国民の質の高さが秋山兄弟という軍事的天才を生み出した。
    これまで軍事的要素を中心に語られることが多かった秋山兄弟。
    彼らを生み育てた明治日本という背景を考察することで、人材が生まれる社会、条件とは何かを探る。

    [ 目次 ]
    第1章 戦闘開始―日露戦争の現場で
    第2章 赤ん坊をお寺にやっちゃ厭ぞな―深い兄弟愛
    第3章 秋山兄弟、近代教育に漬かる―最初は軍人志望ではなかった二人
    第4章 初陣・日清戦争―騎馬と軍艦
    第5章 海外で専門教育を受ける―ナポレオンとマハン
    第6章 秋山兄弟以外の「秋山」たち―下級武士を動かしたもの
    終章 秋山兄弟の遺産―何を残し、何を残せなかったのか

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    [ 参考となる書評 ]

  • 坂の上の雲の復習。後日談が少しのっているけど、その辺はあんまり興味ないのでスルー。あと、著者の解釈とか内容が薄いしどうでもいいので事実だけを淡々と語ってくれればいい。

  • 筆者のコメントが示唆に富んでいて、面白い。

  • 「国」を良くしようと頑張る。
    「公」のために尽くす。
    秋山兄弟に共通することだ。
    「国」「公」を人に置き換えると、この本の内容がかなり身近になる。

    自分の能力を高めるため勉強及び見聞を広げること、
    自分の持てる材料をどのように活かして人のために頑張れるか、
    そこは私自身も努力しなければいけない。
    また、自分が体言化することも必要になる。
    その日が来るまで時を待ち、準備が必要だ。
    そのようなことをじんわり感じさせる本である。

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著者プロフィール

作家、政治史研究家

「2018年 『「大日本帝国」失敗の研究【1868-1945】』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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