- Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
- / ISBN・EAN: 9784022737007
感想・レビュー・書評
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"文章を書くことの楽しさを知ってもらいたいご両人の対談。
池上彰さんは元NHK職員で週間こどもニュースのお父さん役だった人、竹内政明さんは読売新聞のコラム「編集手帳」を長年ご担当されている方。
何かを書きたくなる気持ちになる不思議な本かもしれない。"詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
・なんでもいいから書いてみる。そうすることで、自分の考えがまとまってくる
・コラムの冒頭だけを読んで先の展開を予想する
・「すごく悪いこをした犯人の弁護士になったら、自分はどうするか」という思考実験をする
・どうすればよい短文が書けるようになるか。「削る練習」しかない
・「これは誰に読んでもらうのか」を意識する
・時間を置いて自分が書いた文章を読み直す。「あのへんはどう書いたっけな」と細かな表現については忘れるくらい時間を空けてから読み直す
・文章修練のために名文を書き写す。一字一句を追うことで、自分が今までいかに手抜きをしていたかが分かる
・失敗談は、その書き手や話し手が、その失敗について、心の中で解決できていないとダメ。コンプレックスになっているような失敗談を話しても、場の空気が悪くなるだけ -
2012/2/3
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竹内政明は『読売新聞』論説委員で、読売の一面コラム「編集手帳」を2001年から担当している人。読売きっての名文家である(朝日新書なのに読売の人を選んでいるのが面白い)。
一方の池上彰にはあまり名文家という印象はないが、平明で読みやすい、いい文章の書き手だと思う。
その2人が対談形式で編んだ文章読本である。
とくに参考になるのは、竹内が書いた「編集手帳」を例として挙げ、「なぜそのような文章にしたのか?」という舞台裏を語らせた部分(たくさんある)。
文章を輝かせる「部品」(引用句など)の見つけ方・使い方、読者を唸らせる構成の仕方など、上手なコラムの書き方が具体的によくわかる。
2人とも、奇をてらったことは言っておらず、むしろ「基本のき」、文章術の王道という感じのオーソドックスなアドバイスが多い。そして、そのアドバイスがとても心にしみる。
たとえば――。
〝どうすれば、よい短文が書けるようになるか。
「削る練習」しかない。毎日、文章を書いては削り、書いては削りを繰り返しているうちに、だんだん「余計な贅肉」が見えてくるはずです。(竹内の発言)〟
〝さらさらとラクをして原稿を書いているようでは、いつまでたっても上達しない。すでに作られた自分の道具箱の中から、選択するという苦労もせずに、言葉を選んで「はい、一丁あがり!」としていても、文章はうまくならない。苦しいかもしれないけど、「よりよい表現はないか」頭を絞ったり、工夫したりしているうちに、少しずつ進歩していくものなんですよね。(池上の発言)〟
肝に銘じたい。
今後、文章につまったときなど、折に触れて読み返す本になりそうだ。 -
すでに書く力が中級程度にある人には、普通に行っていることが書かれている。もちろん参考になる部分もあるが、やはり書く力をつけるには、というところでまともなことをもう一度復習する意味では良書です。
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「前に遡って読み直す必要のない文章を書く男」と「読売新聞の一面を下から読ませる男」が、相手の得意技を白日の下に晒す。始めは武道の稽古のように見えた対談も、しなやかさこそ保たれたままでありながらも、次第にハイレベルな勝負のような呼吸を帯び、お互いに切り札の出し惜しみが出来ない状態に陥ったのか、書く力を磨きたいと願う読者にとっては、焦点を外せない話題が溢れてくる。それは心構えのような抽象的なものから、注意事項のような具体的なものまで多岐に渡るが、いくつかのエピソードも相まって、記憶に残る、習慣にしたい奥義だ。
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すぐに上手な文が書ける手引き書ではないけれど、ヒントがいっぱいの本です。著者2人が文章を楽しんで書いている様がみられます。
彼らの日々の努力をのぞきみてみませんか?
(カウンター担当/bee)夏休みに読みたいおすすめの本 -
文章を上手く書く力についての対談本。
内容は、対談形式で分かりやすい。
書くためのキーワードが沢山ならぶ。
テーマは身近な話、経験がよい。結論より書き出し重視。短く書く。音読してみる。
名文を書き写す。声に出して読む。これはと思う文章を書き溜めておく。
例題文も多く、非常に参考になる。ここに書いてあることを実践すれば、少しはいい文章が書ける・・かも? しかし、私、漢詩や詩文はもちろん、引用されている名文をほとんど知らない無教養な人間なのですけど。どれだけエネルギーと時間を必要とするのでしょうかね~?www -
◆きっかけ
ブクログ。nagisa-libraryさんの本棚より。む図なし。購入候補。2018/4/5 -
おなじみの池上彰さんと、読売新聞の「編集手帳」を15年間執筆されている竹内政明さんの対談。
目当ては、「相手が持っていて内緒にしているはずの文章術」ですね。
いろいろ面白くためになったのですが、
自分が即実行したいと思った3つを書いておきます。
●最初に自分の書いたものを、少なくとも三分の二には切ってみる。
最初よりずっと引き締まって見えるはず。
とにかく「削る」練習をする。
だんだん「余計な贅肉」が見えてくるはず。
●自分の文章は時間をおいてから読み直す。
ヘミングウェイのような文章家にして、自分を客観視するために時間をおいていた。
●名文を「書き写す」
その例に井上靖さんの文章が紹介されていました
素晴らしくて、本当に驚きました。
こういう本を読むことが殆ど無いのを反省しました。
それと池上さんによる前書きにあった戒めを心にとめておきたい。
「正しいことを言うときは
少しひかえめにするほうがいい
正しいことを言うときは
相手を傷つけやすいものだと
気づいているほうがいい」
吉野弘
あともう一つ、お二方は言われませんが、私が気づいたことがあります。
二人ともとてもわかりやすく書いていて、難しい単語は滅多に使わないんです。
時々バシッと使うので、印象に残ります。
それも意識的にやっているのではないでしょうか。
たとえば「含羞」「訥弁」です。
いかがですか?