わかりやすさの罪

著者 :
  • 朝日新聞出版
3.75
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感想 : 103
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  • Amazon.co.jp ・本 (278ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784023318762

感想・レビュー・書評

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  • この考え方に同感。
    とはいえ、著者の文章はとても難しい。けど、さらりと読んで抜けていく文章に比べて、何度も読み返す。けど、結局理解不能なことも多い。
    著者の語り口はとても分かりやすいのに、文章はわかりにくい(笑)
    でも気になる人なのだ。

  • 物事が簡略化され、なぜそう思ったのかを常に発信しなければ行けない世界。
    人にわかりやすく理解してもらうには、そこに自分の意見を挟まず、事実をわかりやすく伝える必要がある。しかし、そればかり続けてしまうと自分の意見がなくなってしまう。自分はこう思うという意思を大切にしたい。

    また、本の要約サービスが例に挙げられていたが、たしかにどういった本か手っ取り早く理解するにはいいかもしれない。ただ、人それぞれ大事と思うと箇所は違うと思うし、気づきを得られる部分って必ずしも本の要約(核の部分)とは限らない。
    本を読んでいてひらめきだったり、気付きだったりそういった瞬間がとても楽しいので、私はしっかりと一冊読みたいと思う。

    理解できないのは怖い。複雑なものを避け、簡略されたわかりやすいものにすがりついてしまう。複雑なもの対してどういうことだろうと理解できないなりに考える事が大事なのではと思った。

    世の中のわかりやすいものにすがらず、自分でしっかりと疑う、考える力をつけていきたい。

  • わかりやすさの罪のテーマ通りに分かりにくい。


  • 仕事がら、わかりやすさを意識することが多い。
    そんな中で読めてよかった一冊。
    わかりやすくないところに価値があったかもしれないことを、わかりやすいかそうでないかという物差しで見ることで見失っていたものはなかったか。

  • 2020/9/11読了。
    このひねくれ者めw
    と、この程度のひねくれ方でもそう思ってしまうところに、今の世の中のつるつるな棒のような幼児体型ぶりが焙り出されている。

  • 好きな作者の本だが中ほどまでで投げ出したくなった。
    軽くわかりたかったのだろう。情けない。
    「17 深いって何だろう」にたどり着いて頑張ってよかったと思った。自分も池上彰には胡散臭さを感じていたが、そうだったのか、彼は自分の考えを表明せずにあれこれと物知りぶりを発揮しているだけか。好かん。

  • 賛成?反対?、白?黒?
    分かりやすい選択肢を用意して問いを立てる。
    本当は2つの間に限りない思索の余地があるというのに。
    実は他にも選択肢があるやも知れないのに。
    そもそも選択できるものではないかも知れないのに。
    とかく即決、即レスが尊ばれる風潮が強い今。
    もっともっとこねくり回して、横から見て、離れて眺めて、ぐるぐる思考した方が良いのでは。
    足りなかった考え方に気づかせてもらった。

  • 「わかりやすさの弊害」「わかりやすさへの違和感」を「わかりやすく」提示してくれている。自分の頭でつらつら考えるのって大事だよね、そして結論は出なくてもいいよね、複雑さをそのまま受け入れよう、というのを「わかりやすく」言語化してくれたと思う。
    自分も「わかりやすさ」ばかり追求される風潮についてもやもやした違和感をもっていたように思うけど、具体例を挙げつつ他者にもわかる形でこんなふうに言語化することはできていなかった。
    ただ、やっぱり人と人とのやり取りの上では「相手にわかるように」伝えることは大事で、「なんかわかんないけど違うよね!!!」では議論が始まらず、「どうして違うのか」を議論するために言語化できなければコミュニケーションは生まれないと思う。
    「言葉にできなければ考えていないのと同じ」というのは違うと思うけど、言葉を尽くして相手にわかるように伝えることは、コミュニケーション上必要で、相手に伝えてわかってもらうことで、その相手からの反応が作用して、考えが発展していく。
    この本が警鐘をならしているのは、「わかりやすさ」というより「(雑な)単純化」だと思う。

    ライターの適性ってなんだろうということも読みながら考えた。書く題材について何か専門があるかと言ったらない、というのがはじめ自分には不思議だったけれども、いろんなところにアンテナを張って、様々な事情について、一定の人がもやもやしている事象をわかりやすく言語化できる、というのがライターなんだろうととりあえず考えた。

  • わかりやすさを、わかりやすくならないよう、思考の行ったり来たりを繰り返して考える本。武田さんの(公式なw)主張の軸となってるメッセージは、「万事は複雑であるのだし、自分の中の頭の中も複雑な作りをしているのだから、その複雑な状態を早々に手放すように促し、わかりやすく考えてみようよと促してくる動きに絡め取られないようにしよう」というもの。複雑さ、わかりにくさを処理していくことじたいが人間らしさであり社会活動において、多層的で多角的な視点に気づける素質だと思うのに、それを放棄してしまういろんな装置に、違和感を感じて過ごせるようになりたい。また、自分も仕事で、その単純化の一端を担ってしまっている気がするので、つねに相反する立場の「もう一人の私」を隣においておくくらいの気持ちでいなければ。

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著者プロフィール

1982年、東京都生まれ。出版社勤務を経て、2014年よりライターに。近年ではラジオパーソナリティーも務める。
『紋切型社会――言葉で固まる現代社会を解きほぐす』(朝日出版社)で第25回Bunkamuraドゥマゴ文学賞などを受賞。他の著書に『日本の気配』(晶文社、のちにちくま文庫)、『マチズモを削り取れ』(集英社)などがある。

「2022年 『べつに怒ってない』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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