- Amazon.co.jp ・本 (275ページ)
- / ISBN・EAN: 9784035403609
作品紹介・あらすじ
父を王に殺された少女バルサ。親友の娘を助けるためにすべてを捨てたジグロ。ふたりは追手をのがれ、流れあるく。二度ともどらぬ故郷を背に。守り人シリーズ「番外編」にあたる短編集。
感想・レビュー・書評
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タンダとバルサのほのぼのとした幼い頃の物語と、
ジグロとバルサの
用心棒として暮らす張り詰めた旅の暮らし。
ほんわかしたり緊張したり、
忙しい一冊。
そして、この頃から2人はなんとなく相性が良く、
お互いを大切に思い合っていたんだなぁ、と感動。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
バルサのシリーズの番外編の短編集だった。
一番おもしろかったのが、小さい頃のバルサとタンダのお話の「浮き籾」。タンダのお母さんが、家のお手伝いにいったバルサに、脛当てを貸してくれて、遠慮したバルサに結んであげたところがすごくよかった。
でも、タンダの家は、タンダをいらない子みたいにするのが嫌だ。悲しいし、寂しい。おれだったら、キーッて叫んで泣いちゃうけど、タンダは遠慮しているところがあるから、できなくて、かわいそう。
ジグロは、迫力があって、厳しいけど、バルサのことを思いやっているのが印象的。バルサががんばって生きているって、伝えてあげたい。槍舞で会えたとき、きっとうれしかっただろうな。(小6) -
守り人シリーズの外伝とも言える短編集。
タンダやバルサの幼いころの日々が綴られている。
本編を読んでからだいぶ時間が経ってしまっていたけれど、
1ページも読み進まないうちにふたたび、バルサやタンダ、トロガイ師の暮らすあの世界へ心は戻っていく。
独自の言葉には「カッル(マント)」というようにカッコ書きで注釈がつけてあり、違和感なくこの世界の暮らしに想いを馳せられる。
相変わらず、食事に関しての描写は特に秀逸。
「汁気の多い鳥肉をこんがりと焼いたもの」とか、
「無醗酵のパンを焼いたもの」ですら、
特別な言葉なんて使っていないのに、すごくおいしそうで。
あぁ、空腹のときに読むものではありません!!
死地を何度も潜り抜けて。
自分の命は自分で守らなくては、誰も守ってくれない。
バルサの毅さは、そうして育まれたんだろう。
タンダの優しさは、生まれついてのもの。
彼の健気さは、大人になっても変わることなく、私はタンダのそういうところがすごく好きだ。 -
ちくしょー、また泣いてしまった。「くやしー」って感情は「好きだ!!」って気持ちに「等しい」って学界に発表したいよ。
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守り人シリーズを全て読み終わった後の、極上のデザートのような短編集です。
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守り人シリーズの主人公である女用心棒、バルサの幼少時代の短編集。
バルサが、本当にまだ子供なのが面白い。
養父ジグロの影響はすごく大きいのでしょうね。
ジグロとの関係性がすごく好きでした。ジグロがこの後どうなるかを知っている分、彼がふと笑いをこぼす瞬間や、言葉が胸に響きます。
まんまバルサのお父さんです!という感じ。
『ラフラ<賭事師>』と『流れ行く者』が特に印象的でした。
ラフラのおばあさんの胸の内ははかり知れません。
最後、ジグロがバルサを抱きしめるところ、熾き火の詩がやりきれないと同時に、温かくもありました。
あと、ちっこいタンダが異常に可愛かったです^^
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バルサとジクロとで旅してた頃の話が読めて良かった。
バルサ、ジクロのこと父さんって呼んでたのね。
最後死ぬのかと思ったが、タンダと再会したんだろう終わり方。
ジクロは死期を悟って、トロガイにバルサを預けようとしたんじゃないのかな。
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バルサとジグロの、流浪の旅・・・も含めた短編集。
人を殺すということ、人の中で生きていくこと、未熟なバルサにはあまりにも重い課題が降りかかる。様々な泥にまみれながらも、屈指の短槍使い、バルサの育つ様が見られるのは、興味深い。