粘膜探偵 (角川ホラー文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
3.18
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本棚登録 : 184
感想 : 15
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  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041007570

作品紹介・あらすじ

威圧的な父親に反抗し、トッケー隊に入隊した14歳の鉄児。偶然ある事件に遭遇し、奇妙なことに気づく。密かに捜査に乗り出した彼は驚愕の真相にぶちあたる……。狂気が加速する”粘膜”シリーズ最新作!!

感想・レビュー・書評

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  • 粘膜シリーズ第5弾。

    今回は犯人探しがメインです。
    いつものように時代背景は戦時中。
    主人公の鉄児が、噂の保険金殺人の可能性のある事件を調査していく。

    相変わらずの暴力表現多めで、シリーズに出てくるナムールに生息するヘルビノの女中。軍が拷問で使用する薬品「髑髏」も登場します。

    ナムールの昆虫や植物など想像できないのですが、イメージに留めているくらいが不気味さを増してちょうどいいのかもしれません。笑

    現実逃避して、飴村ワールドに浸っていたいが、今これが粘膜シリーズ最新。
    続きをくださいっ。

  • 大好きな粘膜シリーズの最新刊。前作までのスプラッタ表現は鳴りを潜めたものの、狂気的な世界観は健在。独特のワードセンスも光っているし展開もよく練れていたので退屈はしなかったけど、前作までの刺激的なスプラッタを期待していたので少し残念。

  •  飴村行という作家を知ったのは、2009年の年末ランキングで『粘膜蜥蜴』がトップ10入りしたことがきっかけだった。その後、粘膜シリーズはすべて読んだ。本作は、昨年刊行された、粘膜シリーズとして6年ぶりの新刊に当たる。

     偶然読んだインタビューによると、近年の飴村さんは精神的に追い詰められて、書けなくなっていたという。一言で述べると、エログロ、スプラッターな作品でデビューした飴村さん。自分を含め、一部のファンには大受けしたが、飽きられやすい作風かなあとは思っていた。

     あらすじがあって無きがごとしのこのシリーズ、今回もやっぱり戦時下の「パラレル」日本が舞台。主人公の14歳、鉄児が「トッケー隊」に入隊する序盤は必要なのか? いつの間にやら事件捜査に手を染めたりと、相変わらず脈絡のない展開である。

     デビュー時のようなエログロ描写をご所望の読者には、かなり物足りないだろう。飴村さんご自身、ああいう作風に限界を感じていたようで、従来のブラックギャグ要素は残しつつ、過激描写に頼らないことを意識したのだと思う。健全な読者にとっては十分過激だが…。

     最終章に入り、謎の核心に迫ってくると、おぞましいはずなのに苦笑いを禁じ得ない。嗚呼、まさに粘膜シリーズ、飴村作品だねえ。何が誕生するんだあっ!と思ったら…。オチがあって無きがごとしのこのシリーズだが、正直盛大に拍子抜けしてしまったよ。

     もっとエログロを!スプラッターを!とは言わないが、久々のシリーズ新刊としてはインパクト不足かなあと言わざるを得ない。トッケー隊の久世とか、爬虫人の影子とか、おいしいキャラクターの数々を活かし切れていないのはもったいない。鉄児の運命やいかに。

     カルトな作家として一部にだけ支持されるのは、飴村さんとしては不本意だったようだ。それではファンの輪が広がらない。この先、作家飴村行はもっとメジャーな存在になれるのか。自分は本作をまだ模索中と捉えたが、飴村さんご自身は手ごたえを感じたとのこと。

     唯一無二の作家には違いない。スランプを脱した飴村行に、注目していきたい。

  • 和風奇談の中にぶち込まれたドラッグセックスバイオレンスを期待した粘膜ファン(なんだそれ)としてはどうしてもちょっと破壊力が欲しかったところですが、他にない魅力があるこのシリーズの帰還を素直に喜んで読みました。

  • 高校時代に粘膜人間、蜥蜴人間、粘膜兄弟の3作を読んでいたので、新作が出ているのを見て嬉しくなり手に取った。このシリーズはエログロとギャグチックな作風がなぜか上手くマッチしていて大変面白いのだけど、今作はエログロ抑えめで謎解き要素強めな印象でこちらも読みやすく良かったと思う。私は基本的には綺麗なものやかわいいものが好きだけど、同時に昭和の匂いがするような泥臭いエログロも好き。後者はあまり人様にお見せできるような趣味ではないので、今後もひっそりと嗜んでいきたい所存。粘膜兄弟と粘膜探偵の間に短編集の粘膜戦士も出版されているので、そちらも読んでみよう。

  • 粘膜シリーズ最新作だったが、ちょっと物足りなかったかな。髑髏が復活したのはよかったけど。

  • 粘膜シリーズ、しかも探偵と来たか! さぞかしとてつもない酸鼻を極めた猟奇事件が、と期待したのですが。それは期待外れ、かな。今までのに比べるとグロテスク度は抑えめなような気がします。だけどぶっ飛んだ要素はいっぱいだし、アウトローなのにどこかしらコミカルな印象は健在。会話にも笑いのツボがしっかりとあります。まあその現場に置かれたら、笑えないのでしょうが。
    なんともいえず暴力的な世界観の中で繰り広げられる、理不尽な暴力の数々。秘められた怪しげな陰謀。その根幹にあるのは何なのか、まったく予想できません。何もかもがひどい、だけれど目が離せない不思議な魅力。登場人物にもなかなか好感を持てる人物が存在しないんだけど、唯一影子が可愛いです(笑)。彼女の言語センスも実に素敵。

  • ★★
    今月1冊目
    だめだよこれは。久々に途中でやめた。
    しかも200ページまで読んだのにどんどん劣化していきストップ。
    粘膜シリーズ好きなのに

  • 大好きな粘膜シリーズ、気づいたら久しぶりに新刊が出ていたので楽しみに読んだ。
    飴村行の魅力って、エログロ描写と映像が脳内に浮かび上がるような文章力、そしてストーリーの面白さだった。でも、今回はエログロが控えめになってる。作者も同じような刺激を求められるのが悩ましいと語っていたそうだが、今作はストーリーが一番ダメだった。終盤で突然急展開していきなり終わってしまうし、あまりにも説明セリフが多くて読みにくかった。

  • 粘膜シリーズ大好物でしたが、この探偵は読んでても何故か情景があまり浮かばず世界に入り込めませんでした。時間をおいてまた再読しようと思います。

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著者プロフィール

飴村行 1969年、福島県生まれ。東京歯科大学中退。2008年『粘膜人間』で第15回日本ホラー小説大賞長編賞を受賞。デビュー第2作『粘膜蜥蜴』で第63回日本推理作家協会賞を受賞。特異な作品世界で注目を集める。著書に『粘膜兄弟』『粘膜戦士』『路地裏のヒミコ』『粘膜黙示録』『ジムグリ』など。

「2018年 『粘膜探偵』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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