ジェノサイド 上 (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
4.18
  • (1034)
  • (1027)
  • (413)
  • (61)
  • (15)
本棚登録 : 8715
感想 : 565
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (400ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041011263

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 「ハイズマン・リポート」の予測通り、アフリカはコンゴで人類が進化した。前頭部が異様に発達したピグミーの子ども、アキリ(ネメシス作戦のターゲット「ヌース」)は、3歳にして既に数学的に人類を大きく超える高い知能を有していた。軍事的驚異を感じた米国政府は、アキリを含むピグミーの部族を排除(ジェノサイド)するため、四名の精鋭兵士によるネメシス作戦を進めるが、アキリの知能が作戦の裏をかき…。

    コンゴ、日本、ワシントンの三地点を舞台に進行する、スリリングな展開。

    下巻が楽しみ。

  • サスペンス?SF?本当に起きているかもしれないけど、フィクションであってほしいような話。登場人物も実在するんじゃないかと思うほどリアルで。アメリカ、コンゴ、日本でパラレルで話が進むけれど、どこで起きているドラマも見逃せず、ドキドキハラハラ。最近地球外生物がいるかもしれない惑星のこととか、宇宙人研究のこととか、たまにニュースでみるけど、あれってあながちフィクションじゃないのかもとおもった。あとがきによれば、立花隆の「「文明の逆説」にインスパイアされた創作とのこと。創薬の過程(化学結合とか、受容体がなんちゃらとか)の話が難解すぎてほとんど理解できなかったのが残念。

  •  タイトルはジェノサイドといった物騒な名称であるが、物語には直接関係ない、といった印象。名前で判断しないでよかった。

     物語は、進化した人類を中心に、いくつかの視点で進んでいき、最後に一つにまとまるといった形。進化した人類(その時点では、見たこともない生き物とされている)を暗殺するように命じられた軍人。難病の薬を開発するように父からの遺言で託された男子大学院生。そして、進化した人類とそれを暗殺し排除する米国大統領。いろいろな視点から述べられているのが楽しかった。


     そして、物語の終盤で分かってくる一番の衝撃展開である、進化した人類はもう一人いるということ。ミステリーとしても成立するような衝撃的な展開だった。進化した人類と言っても三歳でここまでできてしまうのか、と思っていた矢先の展開なのでとても楽しめた。

  • 人間はチンパンジーと殆んど一緒ですね。
    ただ言葉を知っているから世の中のエグさを正当化しているだけなのだと思わされました。
    それと第一次アフリカ大戦という言葉を初めて知りました。近年の中東よりも酷い事を知りました。
    宗教を信仰する事には抵抗をおぼえますが、隣人を愛する事が、やはり大事なんですね。

  • 文庫化待ってましたぁぁぁぁぁ! そして期待を裏切らない! 相変わらずの、一体どこまで入念に調べこんだんだという作りの深さ! 冒頭のホワイトハウスのやりとりだとか、研究室内の描写だとか、一体どこまでが想像で、どこまでが調査に基づくリアルな文章なんだろう? 各分野の専門領域をうやむやにすることなく説明した上で、それをただ垂れ流すんじゃなく、ストーリーの展開や盛り上げに存分に活かしているのが、感動を通り越して驚愕の域。イェーガーと研人の世界がここからどうクロスするのかも気になるところ。盛り上がってきたぁぁぁぁ、下巻にも期待します!

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「感動を通り越して驚愕の域」
      怖かったけど十二分に楽しませて貰いました。
      「感動を通り越して驚愕の域」
      怖かったけど十二分に楽しませて貰いました。
      2014/05/01
  • 単行本の時に話題だった本作、文庫本化なったので早速買って帰る。
    難病の息子を抱えるアメリカ人の傭兵・イエーガーの章と、亡くなった父から謎の研究を残された日本人大学院生の研人の章が交互に語られ、それらにホワイトハウスに詰める分析官ルーベンスの項が挿まれ、畳み込むように物語は進む。
    所々に創薬や進化論など生硬な話が挿まれ多少とっつきが悪いが、アクション映画もさながらのイエーガーの章は着々とミッション完了へと運び、冒険小説の王道とも言うべき巻き込まれ型の研人の章は、味方も敵も分からない中の逃亡譚に息が詰まる。
    重なりだした2つのお話は、イエーガーたちの作戦遂行直前に新たな局面に事態が動き、思いもかけない次なる展開へ。下巻が楽しみ。

  • 第二次世界大戦からベトナム戦争の発砲率が大きく変わったのが物理的距離と心理的距離のてこ入れがなされたから、という話で、実際に広島原爆を落としたアメリカ人兵士たちの余生がどんなものだったのか興味が湧いたので調べてみると、「奪った命より多くの命を救った」と原爆の投下を正当化しているような様子でインタビューにて答えている記事を見つけた。内容に対する賛否はともかくとして、自身の行った事に対する向き合い方としては最悪の場合を想定しそれよりも幾ばくか良かった、という考え方を持つことが自身を守ることにおいての最良の選択肢だと感じた。

  • 感想は下巻に記載。

  • 以前読んだ13階段が面白かったので手に取った。が、こちらも面白い。読み始めはコンゴ、アメリカ、日本がどう交わるのか分からないが、徐々に点と点が線になり始め、続きが気になるストーリー展開。1日で読了。

  • 「恐ろしいのは知力ではなく、ましてや武力でもない。この世でもっとも恐ろしいのは、それを使う人格なんです」

    2021/8/31読了
    初めての高野和明は、確か福島市内の書店で何気なく買った『13階段』だったが、これも、どんでん返しに富んだ展開で面白かった。本作の、現生人類以上の知的存在に翻弄されるという展開は、A・ファウアー『数学的にありえない』にも通じる――おぉ、難病の子供を救うという所も一緒だ!――が、アメリカ政府を相手にして、舞台も日本、コンゴ、アメリカと国を跨ぐ分、スケールは本作が勝るように思う。

全565件中 71 - 80件を表示

著者プロフィール

1964年生まれ。2001年に『13階段』で第47回江戸川乱歩賞を受賞し作家デビュー。著書に『幽霊人命救助隊』、『夢のカルテ』(阪上仁志との共著)など。2011年、『ジェノサイド』で第2回山田風太郎賞を受賞。自著のドラマ化『6時間後に君は死ぬ』では脚本・監督も務めた。

「2012年 『グレイヴディッガー』 で使われていた紹介文から引用しています。」

高野和明の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×