百年法 (上) (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA/角川書店
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感想 : 207
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  • Amazon.co.jp ・本 (480ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041027097

感想・レビュー・書評

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  • 面白い!百年生きれてその後は死が待っている。それを選択するかは自由。そして、いざその日が近づくと人の心は揺れる。当然やと思う。そしてその死を回避しようとするズルい人間も当然居る。ドンドン読み進めてしまった。登場人物も魅力的であり、近未来的な設定なのに、今現在の腐敗した自己中な政治家たちは健在させている。いくつかの場面で次々登場する人たちがどこかで繋がって行く。その人たちの先を知りたくて読む手が止まらなかった。 
    引き継ぎ下を読むとしよ〜!

  • 近未来SFかな。勢いよく読めて面白い、、映画化しそう。

  • お!も!し!ろ!す!ぎ!る!!!!!
    台詞が多いので読みやすいし、台詞が多いのに状況描写がめっちゃ分かりやすい!!状況描写からの怒濤の台詞量だからかな。ガツガツ読める。なによりとにかく話がおもしろい。
    上巻を途中まで読んだ時点で周りに「いま読んでる“百年法”って小説の話なんだけどさ!もし、不老不死が実現したらどうする!?ハタチになったら受けられるワクチンみたいなものがあってね、それ受けたらそこから年をとらないの!!」って聞きまくった。
    そして相手が「じゃあ受けてみたいかも」って答えたら、「でもね、そのワクチンを受けた人は、100年後には安楽死で死ななきゃならないの!!そう国から決められてるの!!」と熱弁した。そこからは議論になったり、「100年も生きられるなら十分」となったりする。でも!でもさ!!って、話そうとすればするほど“でも”が出てくる世界。楽しい~~~!!!!

    まるでSFのような物語なのにこんなにも現実味に溢れているのはなぜなんだろう。すごいなぁ。「おもしれ~~!!!!」って言いながら読んでた。シン・ゴジラ好きな人は絶対好きな世界観なのでぜひ。

    ほいで私は本を読むとき、好きな俳優に当てはめて読むんだけどこの本でもそれをやってて

    遊佐くん……柳俊太郎か菅田将暉
    深町くん……吉沢亮
    笹原さん……東出昌大
    立花さん……小松奈々
    蘭子さん……二階堂ふみ
    由基美さん…白石麻衣
    貴代さん……佐野ひなこ
    戸毛さん……柳楽優弥
    木場さん……高杉真宙(仁科ケンも高杉くん)
    香川さん……加藤諒
    牛島さん……鈴木亮平

    って感じで考えてた。
    HAVI受けてるから、配役も基本20代中心になるんだよね~おもしろいね~こういうの考えるの楽しいな~読者それぞれのイメージがあるんだろうなぁ。いいな。

  • <上巻>読了:2018.10.6
    <下巻>読了:2018.10.10
    ※上下巻合わせての感想

    ブクログでフォローさせてもらってる方の感想を読んで、読みたいと思った作品。

    山田宗樹さん作品初読み。
    政治経済や法律系の人かと思いきや大学院で農学を勉強されていた理系の方とか。

    1941年太平洋戦争勃発。
    1945年6発の原子爆弾が日本の都市部をことごとく焼いて終戦。大日本帝国は滅亡し、日本共和国として再出発。アメリカで既に実用化されていたヒト不老化ウィルスを利用したHAVIが導入された。
    そして作品の冒頭は2048年。百年法制定を巡る政治家の動き、技術革新により変わった生活、民衆心理、ひとりひとりの人間ドラマなどを見せていく。
    誰もが憧れる「不老」。だが実際に手にしたときのことを、人はどれだけリアルに考えているか?

    パラレルワールドのような設定自体にも惹かれたが、何よりとてもリアルな文章に引き込まれた。
    法律の制定方法・準備・それによる影響の予見。民衆の倦怠感、混乱、歓喜、疑心暗鬼。ひとりひとりの死生観、家族観、恋愛観。劣等感。使命感。
    政治家とは、警察とは。そして、国とは。

    以前勤めていた会社で、役職者それぞれが、誰とは懇意で、誰とは敵対してて、誰の顔色を伺い、誰の顔を潰さず、根回しと公式ルールをいかに利用して自分の望む着地にするかっていう男のネチョネチョ政治があったのを思い出した(笑)

    それぞれの正義があり、欲望があり、使命があり、そして物事にはタイミングがある。



    クライマックスはそんなネチョネチョの中で男くさい部分を見せられて泣きそうでした。
    読後感もとても気持ちいい。

    2048年から何十年分もの出来事を書いてるので登場人物も多いし、ダラダラするかと思いきや、非常にうまい構成になっていて飽きることなく最後まで続きを気になり続けて読み終えました。

    ぜひドラマか映画で実写化してほしい!!
    めちゃめちゃ面白かった!!!



    ◆内容(BOOK データベースより)
    <上巻>
    不老化処置を受けた国民は処置後百年を以て死ななければならない―国力増大を目的とした「百年法」が成立した日本に、最初の百年目が訪れようとしていた。処置を施され、外見は若いままの母親は「強制の死」の前夜、最愛の息子との別れを惜しみ、官僚は葛藤を胸に責務をこなし、政治家は思惑のため暗躍し、テロリストは力で理想の世界を目指す…。来るべき時代と翻弄される人間を描く、衝撃のエンターテインメント!
    <下巻>
    不老化処置を受けた国民は処置後百年を以て死ななければならない―円滑な世代交代を目論んだ「百年法」を拒否する者が続出。「死の強制」から逃れる者や、不老化処置をあえて受けず、人間らしく人生を全うする人々は、独自のコミュニティを形成し活路を見いだす。しかし、それを焼き払うかのように、政府の追っ手が非情に迫る…世間が救世主を求める中、少しずつ歪み出す世界に、国民が下した日本の未来は!?驚愕の結末!

  • 2016.9.1
    パラレルワールドのSFです。
    太平洋戦争後のもう1つの日本。HAVIという処置により、人々はその処置をうけた時の年齢のまま不老不死になっていた。だが、HAVIを受けた後100年したら、人々は皆その生命を放棄しなければならない。それを百年法という。

    その百年法をめぐっていろいろな人たちのストーリーが交錯します。第一部では志の高い官僚だったのに、数十年後の第二部では別人かというほど情けない人物になっていたり。
    永遠に若ければ永久に生き続けても幸せか?否、返って無限地獄か?そして、肉体は若いままでも心はその経験の長さから年齢を重ねていく…。
    いろいろと考えさせられる作品です。
    ちなみに、第一部を読むのはおっそろしく時間がかかりました。ケン以降第二部からは止まらなかったけれど。下巻楽しみ。


  • 百年法:〔不老化処置を受けた国民は処置後百年経過したら安楽死しなければならない〕

    近未来の日本を描いた独創的なお話でした。苦手な政治のお話もとても面白く、首相の遊佐さんのような方が今の日本に現れてくれたらどんなに心強いか…なんて思いながら楽しく読み進めました。

    このお話の中には不老化処置を受け、死にたくないと右往左往する人間の様子も描かれています。私は生にあまり執着がないのでその様子にあまり共感は出来なかったのですが、いざ、不老で生き続けなければいけないとなれば、またそれはそれで恐怖や混乱に見舞われるという人間心理が描かれていて、興味深かったです。

    最近は、混沌さが増し、荒れて、日に日に人間が雑で幼稚になっていっている気がしてなりません。人間は進化しているようで、実はかなり衰退してきている気さえします。小説の表紙一つにしても、手に取る気もしない物が増えてきました。

    食べる、寝るという本来単純な生活のはずが、異様な忙しさの中で大切なことは忘れられている気がします。。

    こんな時こそ、広く読んでもらいたい作品だなと思いました。

  • 人は植物のように平穏には生きられない。
    人は渇望のオーラをまとっている。

    (以下抜粋)
    ○母に対してさえも、なにかの拍子に恋愛感情を抱きそうで、危なっかしいったらない。だって、どこから見ても同年代の異性なのだから。
     実際、そういうことも世間ではあるようで、この手の禁断の恋は現代小説の定番テーマにもなっている。親子関係を解消するファミリーリセットも、近親姦を防ぐための本能的な行為だとする学者もいるくらいだ。(P.281)

  • 超高レベルな未来設定!HAVI(ヒト不老化ウィルス接種処置)を手にした人間。人間が増えすぎるという困難。そこでHAVI後(処置後)百年で法律的に強制死(百年法)。設定がとても奇想天外ですが、もしそういう技術ができたら本の内容のようになるよね~ととても納得。この本では伏線が張られ、どのように回収するのかとても楽しみ。「死」「先端技術」「権力」というのをテーマにしたテーマで下巻も楽しみです。

  • 再読。

    人物の描写がきちんとされている、設定が面白いので上下巻共集中して読めました。
    仁科ケンに会ってみたいなぁ。

  • とても面白いです。平易な文章で非常に読み易いのでデカいバジェットをフルに生かしたエンタメ作品にしか思えなくて映画でいうとマーベルやXMENとかを見ている感じですかね(笑)
    それでも「不老不死を手に入れた社会」において、
    生と死、労働、政治、家族、恋愛そして貧困や病気、暴力とありとあらゆる要素を抱え込んで見事なまでに時間を表現していると思います。
    読んでいると感じるのは「永遠に生きることが素晴らしい」という訳ではない!って印象です。何か生きる目的や大志があって長い時間を有効に使うならいいけれど、目先の快楽みたいな近視眼的な考えしかないと100年は長すぎて苦痛になってしまいそうですよね。
    上巻だけでもかなり面白く読ませてもらいましたが、下巻ではどんなドラマが待っているのか楽しみで仕方ありません。
    この作品は「生きる」ってことを考えてみるいい機会かもしれないです。

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著者プロフィール

1965年愛知県生まれ。筑波大学大学院農学研究科修士課程修了後、製薬会社で農薬の研究開発に従事した後、『直線の死角』で第18回横溝正史ミステリ大賞を受賞し作家デビュー。2006年に『嫌われ松子の一生』が映画、ドラマ化される。2013年『百年法』で第66回日本推理作家協会賞を受賞。その他著作に『ジバク』『ギフテット』『代体』『人類滅亡小説』『存在しない時間の中で』など。

「2022年 『SIGNAL シグナル』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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