記憶屋 (角川ホラー文庫)

  • KADOKAWA/角川書店
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感想 : 271
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  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041035542

感想・レビュー・書評

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  •  つらい記憶を消してほしいという依頼を受けるのだから「記憶抹消屋」と言った方がいい。周りで記憶を消してもらったと思われる人が次々現れるが、遼一は、どんなにつらい記憶でもそれは自分の一部なのだから消すべきではない、という信念を持つ。
     展開はありきたりでワクワクしなかったし、文章もまどろっこしくて退屈だった。

  • いまいち

  • 面白い設定だとは思った。
    が、まず最初から幼馴染・真希のキャラクターが受け入れられない。
    3歳下だからってあんなにわかりやすくベタベタするもんだろうか…。
    私のそばにあんなのがいたら耐えられん。
    幼馴染ってあんななのか…?

    記憶をなくしてしまうことが良いことか悪いことか。
    良いとも悪いとも言えないけど。
    チームナックスが出てた映画「river」を思い出した。
    動物にどれだけの記憶力があるかはわからないけど、人はそれを筋道立てて考えたり、閉まったり出したりができる生き物で。
    どうにか抱えて生きてる生き物だから、だからこそ愛おしいんだと思う。
    「記憶屋は自分の記憶を消せない」という代償は確かに辛いのかもしれないし、記憶屋を続ける意味、自分の存在意義的な意味でも辛さは色々あるのかもしれないけど、私の性格的には共感できる要素は少なかった。
    主人公じゃないけど、いや使わなきゃ良いやんで終わってしまった。
    これでは1ページで終わってしまうな。
    正直途中の操の記憶を消したのは実は操ではなく、要が好きだった子だったらなとも思ったけど、そうなると記憶屋はきっと記憶は消してくれないんだろうな…。
    しかし正直杏子さんの記憶の消し方には疑問が残る。
    あれ僚一の記憶まで消さなきゃならなかったんだろうか。

    最後の方にもあったけど、記憶を消されてトラウマが消えても、例えば警戒心が薄れて夜中フラフラ出歩くようになってまた同じ目にあったら…なんてお前は学習能力ないのかよ、みたいな展開になりかねないし、やっぱり告白してしまった記憶を消しても、また好きになってしまうかもしれない可能性はあるわけで。
    冷静なツッコミしちゃうのでどんどん冷めてる自分がいた。
    私も消したい記憶なんていっぱいあるけど、それが消えてしまったら今の私はいないわけだから困るしなー。
    まぁ時間が経ったから言えることなんだろうけど。
    当時やその瞬間は消したくて逃げたくて仕方ない(かった)んだろうけど。
    善悪は自分の尺度、エゴでしか語れないから難しいね。

    ホラーにもミステリーにもなりきれず、ただちょっと切ない感じで振り切れてない感じ。
    もしあなたが気がつかないうちに記憶を消されていたら?みたいな感じで怖いってことなんだろうか…。
    うーん。

    正直帯にあるほど感動もなく泣きもせず、私にはガツン!と響くものはなかった。
    2作目も出るらしいけど、どんな展開なんだろう。
    例えば記憶屋が記憶屋として動かなければならない理由がわからない。
    他の方のレビューにもあったけど、行動理由が幼いに尽きるんだよ!
    そんな覚悟でとか、辛さを抱えてとかあるのかもそれないけど全く共感の余地なし←すっぱり
    きっかけや、存在意義、使命的なものがあるのか、何かに縛られているのか。
    そこが2作目で明確化されればまた見方は変わるのかもしれない。

  • わたしが高校生だったら胸キュンホラーね♪
    ってなるんだけど…

    わたし何やろうとしてたんだっけʕʘ‿ʘʔって年になると記憶は何一つ忘れたくないわね。

    ラストでえ〜っそっち⁇
    そっち系ですかとまぁ驚いた( ̄▽ ̄)

    3冊セット激安購入しちゃった…

    • みんみんさん
      逆にめちゃ怖いホラー読んでみたくなった(*´-`)
      逆にめちゃ怖いホラー読んでみたくなった(*´-`)
      2023/03/23
    • 土瓶さん
      ポッと思いつく王道ホラーは澤村伊智さんかな?
      ポッと思いつく王道ホラーは澤村伊智さんかな?
      2023/03/23
    • みんみんさん
      まだまだ京極シリーズでいきます\(//∇//)
      まだまだ京極シリーズでいきます\(//∇//)
      2023/03/23
  • 記憶屋の信念?が弱い気がして、こういうのは人生経験をある程度積んだ人じゃないと使っちゃいけない能力だよ…と思った。犯罪の被害に遭ったとかトラウマによって人生が辛くなってしまう人以外の記憶は消すべきじゃないと私は思う。辛い経験も含めてその人なのだから。高原弁護士の話にはホロリときた。俺のことを大切に思う人を作ってしまったのも失敗だけど、『俺』が大切な人を作ってしまったのも失敗だ、っていうセリフに泣いたし、失敗じゃないよ、それが素敵な人生の形だよって言いたくなった。

  • ホラーではないものの都市伝説と絡んでいるのは面白かったです。特に外村の話が好き。オチは読めるものの結局なぜ?が大きくなりました。

  • ホラーではなかったな。
    もし記憶屋が本当にいたら、過去の恥ずかしい失敗とか悲しかった出来事とかの記憶を消してもらいたい!って思うかもしれないけど、その経験がなかったら今の私はできあがってないのかも、って考えるとやっぱり全部忘れたくはないかなと思う。

    小説の中では記憶をなくして幸せになる人もいたから、本当に消さないと生きていけないような経験をした人にとっては必要なのかな。でも、その人が記憶をなくして、その人に忘れられてしまった人は悲しくて切ないよね。

    記憶って一人で作ってきたものではないし……
    完全なフィクションで、ファンタジー風なのに記憶ってなんだろうと考えさせられてしまった。

    文章は読みやすいけど多少くどいところもあって読むのに苦労したところもあったので、再読はおそらくしないかな。

  • ★2.5
    展開が読めてしまった。ラストもやっぱりなと言う、感じ。

  • 好きな人が記憶屋にトラウマを消してもらい、恐怖から解放されたことを喜ばず、なんでオレを忘れたんだ!身勝手だ!忘れられた側のことを考えろ!と怒り悲しむ主人公…その考えは終始変わらずかなり引いた。自分も警戒されていたのに、なぜ記憶屋に腹を立て一生懸命に探したのかいまいちピンとこない。主人公の身勝手さは置いといて、ラストは良かったと思う。色々納得できた。高原、外村、七海らの物語も面白かった。
    他の方も言ってるけどなぜラストシーンを表紙にしたんだろう。少し勿体ないかな…( ´•_•。)

  • ホラー小説大賞・読者賞受賞作とのことですが、ホラー要素はないです。⁡
    どちらかというとファンタジー?⁡

    消してしまいたい、どうしても忘れられない記憶を消してくれるという、都市伝説のひとつである"記憶屋"。
    遼一は"記憶屋"の存在を信じていなかったが、自分の周りで一人また一人と不自然に記憶を失った人が現れる。そして、どうやら自分もその一人らしい。⁡

    誰が、どうやって、何のために記憶を消しているのか。⁡
    自分の中にある"記憶屋"に対する負の感情。むねのなかにある、ただの怒りではない、何かモヤモヤとした思い。その思いに動かされて、遼一は"記憶屋"探しを始める。⁡

    記憶を消してしまうことは、悪か否か。⁡

    自分だったら…と考えてはみたものの、難しくて簡単に結論を出すことはできない。⁡
    私自身は、今はどれだけつらくて悲しくて消してしまいたい出来事であっても、その記憶があるからこそ成長できるのだと信じているから、どんな記憶であっても消したくない。⁡
    だけど、もし自分との記憶のせいで誰かが傷つき苦しみ、いっそ記憶を消してしまいたいと思っているとしたら。自分との記憶がないほうが、その人が幸せになれるのだとしたら。⁡
    その時は、記憶を消してあげてほしいと頼むかもしれない。

    シリーズ化しているようだけれど、この作品で完結しても差し支えないような終わり方だし、読むかどうか悩むなぁ。


    「記憶は過去だ。もう存在しないモノだ。でも、その人の中に記憶としてある限り、その人の上には記憶の影響力が及ぶんだ。時には、その力は現実よりも強く働く。その人の中にしか存在しない力だから、周囲の人間にはどうしようもないんだ。自分の記憶からは逃れられないから」⁡

    「記憶で生かされる人間もいれば、その逆もいる。自分に関する記憶が、誰かを支えるものとして残るなら、それは幸せなことだと思うし、そんな記憶を持っていることも、すごく幸運なことだと思うけど……」⁡

    「記憶って、過去にあったことのかけらみたいなもんだろ?それが積もって、重なって、経験っていうか、そういうのになって、人間を作るんだろ。そのかけら、積もって重なってひとつのかたち作ってるひとかけらがいきなり消えちゃったら、もとのかたちじゃなくなるんじゃないかって、俺は思う。そのひとかけらの上に重なってた他のかけらまで、全部……ばらばらになって、形が変わって」⁡

著者プロフィール

1980年イギリス・ロンドン生まれ。2013年、第14回講談社BOX新人賞Powersを受賞した『霊感検定』でデビュー。15年、第22回日本ホラー小説大賞読者賞を受賞した『記憶屋』は、シリーズ累計35万部を超えるベストセラーとなる。その他の著作に『SHELTER/CAGE』『黒野葉月は鳥籠で眠らない』『301号室の聖者』『世界の終わりと始まりの不完全な処遇』『ただし、無音に限り』『響野怪談』がある。

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