黒蜥蜴 江戸川乱歩ベストセレクション (5) (角川ホラー文庫)

著者 :
  • KADOKAWA/角川書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041053324

感想・レビュー・書評

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  • 明智小五郎と美貌の女賊・黒トカゲの物語。

    2013.08.11 http://mediamarker.net/u/naokis/?asin=4309727999『魔性の女挿絵集』で紹介されているのを見つける。江戸川乱歩原作に対し、三島由紀夫が戯曲化した。
    2014.08.22 読書開始
    2014.08.24 読了

  • 明智の登場によって、他の作品よりもアクション要素が強い。
    嫌いなわけではないが、黒蜥蜴による犯行が御都合主義で
    そういった意味では横溝正史のほうが面白い。

    乱歩の良いところは、とにかく、妖艶さだと感じた。
    今の世の中では考えられない、排水臭くて、如何わしい、狂乱の時代。
    その中で燦然と輝く、背徳の美。

    なので、黒蜥蜴の危うい美しさだけが際立って良い。
    エンタテインメントとしては、あまり評価できない。
    無理矢理書かされたんじゃないかというくらい。

    なので、明智の出る作品は今後、あまり読まないほうがいいなと思った。
    探偵物が好きな人にも、これはオススメできないな、と思った。他の短編の方が良い。

  • 全ては明智小五郎の手のひらの上で転がされてるんだろうなぁ~とお約束の展開なんですけど、わかっててもかっこいい!待ってました!となってしまう。
    黒蜥蜴は、妖艶だったり、少女のようにいじらしかったりと、その都度コロコロと姿を変えるところが魅力的でした。ラストシーンは切なかった。

  • 限定の和装カバーにつられて購入。
    話が黒蜥蜴側描写が続くにつれ、これは明智小五郎に翻弄される一択だぁ、とつい黒蜥蜴を応援したくなる…。
    前半の誘拐劇はどう転ぶかわからずにドキドキした!

  • 江戸川乱歩はいくつか読んだが、最も有名とも言える「黒蜥蜴」を読んだことがなかった。
    明智小五郎の不死身さが胡散臭くて避けていたのだと思う。そこがいいところだと若いわたしはわかっていなかった。青いな。

    今回、本屋さんでたまたま見かけて、百合の花が大きく描かれた表紙が綺麗で手にとってそのまま無意識に購入してしまった。こちらのサイトでは漫画みたいな購買意欲を低下させる表紙になっているけれど。
    今更江戸川乱歩を平積みしている理由は、自宅でテレビを見ていて気づいた。
    ドラマ化されたらしい。
    ちなみに明智小五郎役は渡部篤郎さんらしい。ちょっとイメージじゃない。
    小さい頃テレビで明智小五郎を演じたのは天知茂さんだった。明智小五郎といったら天知茂さんでしょう。
    天知茂さんの訃報を知ったとき、なぜか天知茂さんは死なない気がしていて驚いた。きっと明智小五郎と勝手に重ねていたのだと思う。
    昔のドラマって、今だと考えられないくらい無駄に入浴するわベッドに雪崩れ込むわ、お茶の間に変な空気をさせたものだった。母親が明らかにそわそわしながら必ずお茶を淹れに行って、父親が脈絡なく話しかけてきたことを思い出す。

    明智小五郎はやはり不死身だし、そんなわけないじゃんみたいに都合のいい展開も多い。
    でも、江戸川乱歩らしい美に溢れた作品だった。
    江戸川乱歩にリアリティを求めるのは野暮というものだろう。
    物語がはじまって35分くらいを過ぎると、必ず水戸黄門や暴れん坊将軍が大活躍、そんな予定調和が安心して観られる時代劇のいいところ。それと同じ。
    明智小五郎は、撃たれても爆破されても突き落とされてもへっちゃら。入院して寝込むなんて生々しい姿は見たくない。
    江戸川乱歩の描く醜悪な美を楽しむことこそが醍醐味だと思う。

    「パノラマ島奇談」や「人間椅子」から引っ張ってきたような描写もあり、ああ、江戸川乱歩を読んでいるなあと楽しませる。
    ただ、黒蜥蜴を黒トカゲという表記にしてしまったことは残念。難しい漢字表記のままであれば、より江戸川乱歩の世界に相応しくなるに違いないのに。
    久しぶりに小さい頃のことも思い出せて、懐かしい気持ちになれた。

  • 面白かった。

    孤島の鬼に次いで面白かった。

    美輪さんの映像作品観てみたいなぁ。

  •  女賊”黒トカゲ”と名探偵明智小五郎の対決を描くサスペンス。

     普段本のジャケ買いはほとんどしないのですが、この作品に関しては表紙の”黒トカゲ”に惚れて買いました(笑)。目がカッコいいのにどこか妖艶さが漂っているのが特にお気に入りです。あとはブラジャーのホックとかですね。

     内容は会話こそ少し古臭さはあるものの、展開はスピーディーで現代でも十分面白い。名探偵と怪人の騙し騙されの一進一退の攻防は、どこか子ども時代の本や特撮などのフィクションを思い起こさせるものがあって、少しノスタルジックな気分も味わいながら読むことができました。

     黒トカゲも色々な属性のキャラにプラスして、大胆不敵な犯罪計画を実行に移す名悪役! それだけに色々な意味で人気が高いのに納得しました。

  • 最高。
    先にコミカライズの江戸川乱歩異人館の方を読んでおりその短編集の中でも特に好きな話だったけど、それでも妖しい魅力をたっぷりと堪能。
    地の文が親しげに読者に話しかけてくる独特さがまた笑えて面白い。熱い。古い小説なのに漫画のよう。怪人二十面相シリーズの走りとなる変装合戦もドラマティック。←未読なので、解説を読んで更に読まねばと使命感。
    ラストシーンの2ページは「わかってたけど、ああ切ない……」と涙目になりながら一行一行繰り返し大切に読んだ。美しい。妖しく毒々しい印象だった漫画版とは違った印象だった。原作の方が綺麗で好き。黒衣婦人は口付けで共倒れするように策を打ってたのかどうか……まあ普通に考えて服毒で今にも死に絶えようとしている婦人にそこで口付けはしないけれど(笑)やっぱり漫画版は原作がああなのだからそこまで演出する必要も無かったかな……
     早苗さんに扮する桜山葉子と黒衣婦人が手を取り合い子供のようにワアワア声を上げて泣き合うシーンも印象的……明智の動向を予め知った上でもう一周熟読したい。
    面白かった。田島先生のカバーイラストも最高。

  • 乱歩の長編は初めて読む。エログロ描写が結構ある。

  • やっぱり乱歩は読みやすくて登場人物にしっかりストーリーがあって面白い

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著者プロフィール

1894(明治27)—1965(昭和40)。三重県名張町出身。本名は平井太郎。
大正から昭和にかけて活躍。主に推理小説を得意とし、日本の探偵小説界に多大な影響を与えた。
あの有名な怪人二十面相や明智小五郎も乱歩が生みだしたキャラクターである。
主な小説に『陰獣』『押絵と旅する男』、評論に『幻影城』などがある。

「2023年 『江戸川乱歩 大活字本シリーズ 全巻セット』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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