私の愛した男について

  • 角川書店(角川グループパブリッシング)
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  • Amazon.co.jp ・本 (205ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041100677

作品紹介・あらすじ

あなたは最低のひと。でも、私を強くしてくれた。男の求愛に堕ちていくOLが最後にたどりついたのは-。妻子ある男との性愛に溺れるOLが語る衝撃の表題作。介護者が出会った桜の下に立つ白い男とは…?教会に現れた野生児は神に選ばれし者なのか。残された日々を生きるがんの父、寄りそう娘の決断は?魂のささやきに耳をすませた四編の珠玉の愛の物語。

感想・レビュー・書評

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  • 表題作を含め4つの作品が入っています。
    「私を愛した男について」は他3作品とは作風が違います。
    でも4作品に通じるのは
    「生」と言う事。
    生きること。死ぬこと。全てを含め「生き方」に繋がります。
    切なくて優しい気持ちになれるお話ばかりです。

  • 表題作以外は 障がいについての短編。でも どれも生と死についての話が書かれていて とても考えさせられる話だった。特に 4つめの「森に還る人」は実際に作者が体験されて 父親の看病の体験記のようで 感動しました。

  • 可南さんおすすめの「幻桜」収録。障害、病気、不倫、宗教。人間が描かれている。私は不倫の話も好きだ。

  • 綺麗な日本語を話せるということは、あなたは日本人なのだ。日本の環境、日本の文化の中で育ち、良い家庭のただしい教育を受けた人の日本語だ。あなたの言葉が、あなたを表している。だからあなたは日本人だし、日本人として生きていっていいんだよ。

    こんなぺらんとしたかみっぺらのような男に、ユニクロのポロシャツを毎日違いで着てくるような男に、私が関心を持つなんてありえない。

  • 久しぶりに手に取った 田口 ランディ氏の作品でしが、どれも彼女らしい感性で書かれた4編でした。
    愛は駄男への愛しさであり、弱者への博愛であり、師への敬愛であり、父への尊厳と家族愛でありました。
    過去の代表作にもある、いつも人間心理の根底に響く作風は田口 ランディ氏独自の世界を読ませてくれます。
    特に読み入ったのは4編目の「森へ還る人」、主人公をや登場人物をとおして人間愛について多く共感できるものがありました。

    読後感=愛するものの心は何処でもいつでも誰でも普遍なりし

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  • H25/1/12

  • やはり、女だ。じっとりとしていた

  • 最後の「森へ還る人」がすごくよかったです。自分もちょうど同じくらいの年齢なこともあり ぐっときました。

  • 4編の中編集。表題作は田口ランディ独特の不思議な官能小説。ちょっとどきつ過ぎる感じが。
    しかし、2篇目の作品からはテーマがガラリと変わる。
    特に4番目の「森へ帰る人」がよかった。
    末期ガンでホスピスへ転院し亡くなる父親の最期を描いていて、悲しいお話なのになぜか希望が湧いてくる不思議な明るさのある作品。
    うちの父の最期が重なって思い出すと悲しくなったが、作品の最後の一行、
    「死ぬのも悪くないかもしれないと思えたくらいだ」に、同感、と言うか、自分の最期も遺された家族がこう感じてくれるよう生きたいと思った。

  • 不公平な命の前で自らの無力さに迷ったり抗ったりする人々の姿はとてもやるせない。でも決して絶望的ではない。非力ながらひたむきに生きる。そんな強くて優しい大人達を描いた短編がよっつ。

    最後のおはなし「森に還る人」は、高齢の親を持つ人はまさに身につまされる思い。
    かつての精彩を失っていく父を、なす術なく見守る主人公。最後の数ページで、感情が暴発するように紡ぎ出される父とのダイアログが切な過ぎるて死ねる。202Pをめくる瞬間に涙が溢れてその先が冷静に読めなくなります( ;´Д`)

    ちなみに本書のタイトルに冠された冒頭の作品だけ少し異色。ランディさんぽいといえばぽいか?高学歴、プライドの高い女が原住民と揶揄するごく一般的で通俗的な男にセックスでのめり込んでいくお話。自らの社会的存在が生きる価値である世界も、低俗であり崇高である情欲の前では全てが無用になる。

    負けること、負けていくことを受け止めた時、女の真の生命力が開眼する。そんな美学。

    あえて言うなら「受容」が全編に通じるひとつのキーワードなのかな?

    しかしランディさんは文章うまいなぁ~。とても読みやすいし平易な言葉でもまさに組合せの妙で形容し難いほんの些細な感情の襞が明文化される感じ。そのキモチよさといったら。

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著者プロフィール

作家。

「2015年 『講座スピリチュアル学 第4巻 スピリチュアリティと環境』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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