記者たちは海に向かった 津波と放射能と福島民友新聞 (ノンフィクション単行本)
- KADOKAWA/角川書店 (2014年3月7日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (339ページ)
- / ISBN・EAN: 9784041107348
感想・レビュー・書評
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アジアの活読
記者たちは海に向かった 門田隆将 角川書店
坂戸中央図書館で読了。紙齢を絶やさぬことを使命に、3.11の災禍の中、助けられなかったことを悔やみ、着の身着のままで報道の現場に寝泊まりし、子供がいるから同僚を置いて避難せざるおえなかったり、そして、優秀な社員が犠牲になった現実を受け取める新聞記者の同僚。「僕らはペンとカメラしか持ってないんです」というEpilogueもいいが、P225自分も被災しながらその街で新聞を配達するおばさんのScene。日本人だけでないかい!?詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
東日本大震災に遭遇した福島民友新聞の記者たちがどのように行動したか、どのように紙齢を繋いだかを克明に書き表したルポルタージュ。
24歳の若さで犠牲になった記者。助かった記者たちも、人を助けられなかった後悔やあまりに悲惨な地獄絵図を見て心が折れそうになりつつ、必死で記事を書く。
忘れかけていたあの当時の気持ちを思い出して辛くなった。津波の被害は宮城ほどではなかった福島が、原発事故により復興の道が見えない状況が伝わってきた -
東日本大震災を体験した福島民友新聞の記者たちの記録。紙齢をつなぐためにギリギリの闘いをする記者たちに胸が熱くなる。また、未曾有の大震災に遭いながらも取材を続ける記者たちや配達を諦めない販売店の姿は感動した
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地元新聞社である福島民友新聞、そして福島民友新聞の新聞記者たちを通して書かれた東日本大震災の記録。
新聞記者たちは、震災、津波、原発事故という異常事態下においても、新聞記者だった。
ある記者は、目の前に突然津波が押し寄せてきた時に、思わずカメラを持ち写真を撮ろうとする。孫を抱えた老人が現れ、記者のほうに逃げてきた。しかし、もう間に合わないと記者はクルマをバックさせる。あの時、カメラを持たずに救いに走れば間に合ったのではないかと、その記憶に苛まれる。
また、ある記者は、役場の職員とともに津波からの避難指示誘導を続ける。しかし、その記者は津波から戻ってくることはできなかった。
新聞記者はまず普通の人間であるが、同時に記録者である。
その立場には、記録したものを持ち帰り、伝え、記録に残す責務がある。 -
自分の命を捨てての人命救助も尊いことだけれど、自分の命を家族に届けるのも大事なことです。木口記者に思い悩むことは無いと言いたいです。それにしても、新聞を出すという情熱に感動しました。
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紙齢が途切れる 新聞社にとってあってはならないこと
地震翌日も新聞は配達された -
新着図書コーナー展示は、2週間です。通常の配架場所は、3階開架 請求記号:070.2126//Ka14
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私と縁のある人の話ですので、これまで読んだ本とは違って特別なものです。
どうかみなさん読んでください。 -
綿々と続く紙齢を絶やさぬように、手を尽くす新聞社員達。
己の仕事に対するプライドの高さは見習うべきことが多かった。
これだ。
お客さまは、何を求めているもの、それを一時も絶やさず提供し続けなければならない。
これが使命であり、果たすことで存在意義が認められる。
まだまだ自分の考えは甘い。