ファミリーランド (角川ホラー文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 619
感想 : 45
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  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041124512

作品紹介・あらすじ

スマートデバイスで嫁を監視する姑、高級ブランド化する金髪碧眼のデザイナーズチャイルドと育児ハザード、次世代型婚活サイトとビジネス婚に待ち受ける陥穽、自律型看護ロボットを溺愛する娘と母親の対決……。ホラーとミステリ、両ジャンルの若き旗手たる著者・澤村伊智が克明に描く、明るい未来を待ち望むすべての家族に捧げる、素晴らしき悪夢。

感想・レビュー・書評

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  • SFやねんな。今度は。
    澤田さんも幅を広げていかはるな〜
    SF短編集です!

    今どきの家族問題の未来を描いてるけど、これイヤミスというかイヤSFやん。
    こんな未来は御免被りたいの典型みたいな…
    便利にはなったけど、血が通ってないような…何というか寂しい未来。
    SFに、こんな家族問題を絡める発想は凄いけど、嫌や〜こんな未来。

    解説にもあるけど、
    タイトル訳すと
    「家族の国」
    しかし、
    「絶望の国」
    更に
    「家族地獄六景」(あっ!短編6作です!)
    と…

    絶賛してはります(^_^)v

    どんな時代も家族の問題は、なくならないって事やね。
    もっと良い形で進化して欲しい〜

  • 古き良き世にも奇妙な物語の感じがしました。
    他の澤村さん作品とかテイストが異なるSF。
    正直いつものホラーな感じの方がよかった。

  •  見事なディストピア小説集としか言えません!
     
     読んでいたのが病院の待合室だったので余計にそう思うのかもしれませんが、凄いわぁ。
     こんな時代は嫌だぁといいつつ、ここに描かれている世界に近づいているのも事実なんですよね。

  • 2100年頃の日本は科学技術が発達している世界。
    婚活アプリで個人情報をたんまり収集して個人を監視することもできたり。
    病気や怪我をしたら、鳥型看護ロボットがすぐ手当してくれる。便利なようで当たり前のように一家に一台置くようになればそれはそれで恐ろしい。
    SFホラーでどの短編も面白かったし、後半の短編で心苦しくなって泣きました(T ^ T)

  • 近未来の家族ホラー
    いつでも家族内の出来事はホラーになり得る。
    ネットによる監視とVRが過度に発達した近未来で、今よりもっと不気味な家族像が、面白かった。
    いや怖い怖い。
    最後の話だけ、少し優しい感じで、ほんのちょっと救われたかもしれない。

  • 面白かった!
    ホラー作家、澤村伊智の描く、ホラーSF。
    ホラーとはいっても、血みどろの展開や、人外の化け物が登場するわけではない。人間の怖さ、いやらしさをうまくSFに落とし込んでおり、どの話も読み応えのある短編集だった。
    特に気に入ったのは「サヨナキが飛んだ日」。SF的要素だけでなく、ホラー要素や意外な展開が待ち受けており、個人的には、この短編集の中で一番澤村伊智らしい作品のように感じた。
    この短編集で何が怖いかって、ここに描かれている未来が来ないとも限らないということ。
    読んでいる間ではなく、読後、ふと未来のことを考え、こんな風になってほしくないなって思ってしまう、そういう怖さがある作品だった。

  • 面白かった!未来の家族のお話、今までの澤村伊智作品と違ったところも新鮮。怖不気味だった。

  • 近未来SFヒューマンホラー短編集

    どの時代になっても関係性や人間の本質は変わらないという怖さが面白かった。

    お気に入りはコンピューターお義母さん、翼の折れた金魚、マリッジ・サバイバー、サヨナキが飛んだ日、今夜宇宙船の見える丘に


    医療系の鳥

  • 現実離れしているようたけど、近い将来の話のようで考えさせられる作品でした。それぞれの題名が知ってる歌に似ていると思っていたら、最後の参考引用を見たらその通りだったので、ちょっぴり嬉しくなりました。

  • あぁ息苦しくてどうしようもない気持ち。無駄を省きAIに依存した未来での結婚、子供、介護などがテーマの短編。こんな事がそう遠くない未来にやって来そうなのがまた怖い。便利になったはずなのに、誰も笑顔じゃないのが印象的だった。ファミリーランドってまさか宝塚ファミリーランド!?と思ったら、小説の中にも宝塚線のワードが。ホラーじゃないはずなのに、ホラー以外の何物でもないどんより暗くなる小説でした。

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著者プロフィール

1979年、大阪府生まれ。東京都在住。幼少時より怪談/ホラー作品に慣れ親しみ、岡本綺堂を敬愛する。2015年に「ぼぎわんが、来る」(受賞時のタイトルは「ぼぎわん」)で第22回ホラー小説大賞<大賞>を受賞しデビュー。2019年、「学校は死の匂い」(角川ホラー文庫『などらきの首』所収)で、第72回日本推理作家協会賞【短編部門】受賞。他の著作に『ずうのめ人形』『などらきの首』『ひとんち』『予言の島』などがある。巧妙な語り口と物語構成が高く評価されており、新たなホラーブームを巻き起こす旗手として期待されている。

「2023年 『七人怪談』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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